映画評『ウエスト・サイド物語』「ロミオとジュリエット」をもとに、ニューヨークの不良グループの抗争と悲恋をダイナミックなダンスと名曲で描いた傑作ミュージカル

映画 映画評
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『ウエスト・サイド物語』
1961年アメリカ
原題:West Side Story
監督:ロバート・ワイズ
   ジェローム・ロビンズ
脚本:アーネスト・レーマン
原作:ジェローム・ロビンズ
   アーサー・ローレンツ
音楽:レナード・バーンスタイン(作曲)
   スティーヴン・ソンドハイム(作詞)
   アーウィン・コスタル(オーケストレーション)
   シド・ミラン(オーケストレーション)
   ジョニー・グリーン(指揮)
出演:ナタリー・ウッド
   リチャード・ベイマー
   ジョージ・チャキリス
   リタ・モレノ
   ラス・タンブリン
   タッカー・スミス
   ホセ・デ・ヴェガ
   ネッド・グラス
   サイモン・オークランド
   ウィリアム・ブラムリー
   ジョン・アステイン

『ウエスト・サイド物語』イントロダクション

1950年代、ニューヨークのウエスト・サイド。

ここでは今、ポーランド系アメリカ人の少年たちで構成された非行グループ・ジェット団と、最近になって頭角を現し始めたプエルトリコ系アメリカ人の非行グループ・ジャーク団の縄張り争いが繰り広げられていた。

とくにこの一帯唯一の広場である運動場をめぐって、二つのグループは常に一触即発の状態にあった。

その日もほんの些細な小競り合いから、ジェット団とシャーク団は大乱闘を繰り広げ、ついには警察までが出動する始末。

あるとき、双方の仲を取り持つ狙いで、町の大人がダンスパーティを開催することにする。

ジェット団のリーダー・リフ(ラス・タンブリン)は、この会場でシャーク団のリーダー・ベルナルド(ジョージ・チャキリス)にすべての決着をつけるべく、決闘の申し込みをしようとたくらむ。

そして箔をつけるために、ジェット団の元リーダーで兄貴分ののトニー(リチャード・ベイマー)にダンスパーティーに顔を出してくれるように頼む。

だがトニーは、すでに不良グループでの活動はやめ、今はまじめに働いていた。

リフの懇願もあって、しょうがないとパーティーに出席することを了承するトニー。

いっぽう、ベルナルドの妹のマリア(ナタリー・ウッド)は移住してきて初めてのダンスパーティーに、心を浮き立たせていた。

マリアにはいちおう許嫁のチノ(ホセ・デ・ヴェガ)がいたが、心惹かれる相手ではなく、パーティでの素敵な恋の予感に胸を膨らませていた。

そして夜になり、ダンスパーティーが開催される。

しかし案の定というか、主催者の目論見に反し、やはりジェット団とシャーク団のメンバー同士が会場でいがみ合いを始めてしまった。

そんな中、トニーが現れる。

そして出会ったマリアとトニーは、一瞬で恋に落ちた・・・。

「ロミオとジュリエット」をもとに、ニューヨークの不良グループの抗争と悲恋をダイナミックなダンスと名曲で描いた傑作ミュージカル『ウエスト・サイド物語』

シェークスピアの代表的な悲恋物語『ロミオとジュリエット』をもとに、1950年代のニューヨークに舞台設定を置き換え、当時の移民問題とからめて描かれた傑作ミュージカルを映画化したもの。

ポーランド系移民、そしてプエルトリコ系移民の不良少年団の対立に、敵味方の立場の恋人たちが巻き込まれていく。

ダイナミックなダンスシーンと、「トゥナイト」「アメリカ」「マンボ」「クール」「マリア」など、数々の名曲に彩られ、アカデミー賞では10部門を獲得。

ミュージカル映画の金字塔の一つに数えられる。

監督のひとりロバート・ワイズは、この作品の4年後、『サウンド・オブ・ミュージック』でもアカデミー賞監督賞を受賞している。

この時代、ミュージカル映画では出演者の歌パートはよくほかの歌手によって吹きかえられており、この映画でも、マリア役にはマーニ・ニクソンが、トニー役にはジミー・ブライアントなどが歌を当てている。

マーニ・ニクソンは、この時代の数々のミュージカル映画で女優の歌唱シーンの吹き替えを担当しており、「最強のゴースト・シンガー」と呼ばれている。


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