『ラヂオの時間』
1997年東宝
英題:Welcome Back Mr. McDonald
監督:三谷幸喜
脚本:三谷幸喜
音楽:服部隆之
出演:鈴木京香
西村雅彦
唐沢寿明
戸田恵子
細川俊之
井上順
小野武彦
布施明
並樹史朗
モロ師岡
梶原善
田口浩正
奥貫薫
梅野泰靖
近藤芳正
藤村俊二
遠藤久美子
『ラヂオの時間』イントロダクション
とあるラジオ局「ラジオ弁天」。
ここで生放送ドラマのリハーサルがまさに終ろうとしていた。
ラストシーンが終わり、ナレーターの保坂卓(並樹史朗)が最後にスタッフと出演者の名前を読み上げ、リハーサルは無事終了する。
このラジオドラマ『運命の女』は、普通の主婦である鈴木みやこ(鈴木京香)がコンクールに応募した脚本が採用されたものだった。
プロデューサーの牛島龍彦(西村雅彦)はみやこの作品をべた褒めし、録音室から出てきた出演者に、つぎつぎに駆け寄り、機嫌を取っていた。
ただ、主演の千本のっこ(戸田恵子)は何やら不満そう。
準備中に保坂が「言葉の使い方で2、3気になるところがある」と言い出した。
「上を見上げた、という表現があるが、これは言葉の重複だ」
みやこは「言いますよね、上を見上げるって」と釈然としなかったが、ここは牛島のなだめすかしで脚本を修正することになる。
牛島はみやこを慰め、「ラジオドラマには無限の可能性がある。僕は好きだなあ、ラジオドラマ」と持論を語る。
スタジオに戻るとディレクターの工藤学(唐沢寿明)と話しになる。
「シナリオのコンクール、応募されたのこの一本だけだったらしいよ」と聞かされ、少しがっかりするみやこ。
牛島には千本のっこのマネージャー古川清十郎(梅野泰靖)からの連絡が入る。
なんと、のっこ演じるドラマのヒロインの名前が気に入らないから変更しろということだった。
「冗談じゃない」と憤った牛島だったが、のっこの顔を立てねばならず、結局みやこに無断でヒロインの名前を「メアリー・ジェーン」に変更してしまう。
このことをほかの出演者に説明すると、ヒロインの相手役の浜村錠(細川敏之)も「彼女がメアリー・ジェーンなら、自分が“寅造”なのは釣り合わない、外国人の名前にしろ」と腹を立てる。
ここから雪崩のように設定の変更が始まっていき・・・。
三谷幸喜映画監督デビュー作!深夜のラジオドラマの生放送中にスタジオで巻き起こる大騒動を豪華キャスト共演で描くドタバタコメディー!『ラヂオの時間』
もともとは三谷幸喜の主宰する劇団東京サンシャインボーイズの1993年の演目。
三谷が初めて手掛けたフジテレビの連続ドラマ『振り返れば奴がいる』の脚本が、三谷の意図に反して製作スタッフに書き直され放送された経験から生まれたという。
深夜のラジオドラマの生放送中に、スタジオで巻き起こる大騒動を描くドタバタコメディーで、三谷幸喜の監督デビュー作でもある。
主人公の書いた脚本が、主演女優のわがままからはじまり、舞台が日本からアメリカへ、そして果ては宇宙にまで変わり、それに伴ってスタッフが右往左往、主人公も起こって録音室に立てこもったり、果たして放送はエンディングを無事迎えられるのか?
三谷幸喜らしいクローズド・キャプションで展開する、しかしまったく展開に飽きの来ない快作。
広げた風呂敷を見事に畳む三谷脚本の見事さは折り紙付き。
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