映画評『ハーフ・ア・チャンス』本当の父親はどっちだ!アラン・ドロン×ジャン=ポール・ベルモンド共演のフレンチ・アクション!

ピストル 向けられた銃口 映画評
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『ハーフ・ア・チャンス』
1998年フランス
原題: Une chance sur deux
監督:パトリス・ルコント
脚本:パトリス・ルコント
   パトリック・ドゥヴォルフ
   セルジュ・フリードマン
音楽:アレクサンドル・デプラ
出演:アラン・ドロン
   ジャン=ポール・ベルモンド
   ヴァネッサ・パラディ

『ハーフ・ア・チャンス』イントロダクション

アリス(ヴァネッサ・パラディ)は早くに親を亡くし、高級外車泥棒で生計を立てていた。

ある時、彼女の弁護士から母親の遺品としてカセットテープを受け取る。

カセットテープには亡き母の告白が録音されていた。

内容は、20年前、二人の男と同時に激しい恋に落ちたこと、二人の男はお互いを知らないこと、アリスはその時にできた子供であること。

そしてアリスはその二人の父親候補を訪ねることにする。

まずアリスが訪れたのは中古高級車販売業を営むレオ・ブラサック(ジャン=ポール・ベルモンド)。

戸惑いつつも彼女を受け入れようとするレオからアリスは高級外車を盗むと去って行ってしまう。

アリスは次の父親候補、レストラン経営者のジュリアン・ビニャル(アラン・ドロン)を訪ねる。

ジュリアンもアリスを受け入れるが、またもやアリスはジュリアンの車を盗んで去っていく。

アリスはレオとジュリアンを、とある場所に呼び出した。

鉢合わせしたレオとジュリアンは、互いに自分がアリスの父親だと言い張って譲らない。

そうこうするうちに、アリスがマフィアのドラッグ取引の大金を積んだ高級車を盗んでしまったことから、マフィアの手が三人に伸びる。

たびたび危機に陥るアリスを、実は元外人部隊で鳴らしたエリート軍人だったレオと、宝石泥棒という裏の顔を持つジュリアンが、絶妙のコンビネーションを発揮して助けるが・・・。

本当の父親はどっちだ!アラン・ドロン×ジャン=ポール・ベルモンド共演のフレンチ・アクション!『ハーフ・ア・チャンス』

美しき娘のために体を張る二人の初老の父親にアラン・ドロンとジャン=ポール・ベルモンドの二大スターを据え、巨匠パトリス・ルコントが監督を務めるフレンチ・コメディ・アクション映画。

アラン・ドロンとジャン=ポール・ベルモンドの共演は『ボルサリーノ』(1974年)以来28年ぶりの再共演。

そしてアラン・ドロンが本作で映画俳優として引退宣言を行ったことでも話題になった作品だ。

耽美的な恋愛ものを得意とするパトリス・ルコント監督としても、アクション映画のメガホンを取るのは『スペシャリスト』(1985年)以来14年ぶりの作品でもある。

二人の父親候補を振り回すチャーミングな娘役には、歌手でもあるアイドル女優ヴァネッサ・パラディ。

二人の男と同時に恋愛をする(そしてアリスをもうける)アリスの母親や、出会って間もない警察の若手刑事とすぐにベッドに入るアリスなど、「これがフランスの恋愛観か!」と思わないと、我々日本人にはちょっとびっくりしてしまう。

ジュリアンとレオにしても、20年たっていきなり現れた娘と名乗る女性を、はいそうですかとすぐに認められるのも、これもフランス的な価値観なのか。

なんにしてもそこは織り込まないと話しが進まないわけだが。

ストーリーはやや小ネタを入れ込みすぎた印象。

それにしても、老いたとはいえアクションをこなすアラン・ドロン、ジャン=ポール・ベルモンドのカッコよさは健在だ。

この二人のカッコよさで最後までこの『ハーフ・ア・チャンス』を見てしまうと言っても過言ではない。

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