映画評『007/サンダーボール作戦』アクション映画にはめったにない水中戦に注目!

カチンコ 映画評
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『007/サンダーボール作戦』
1965年イギリス・アメリカ
原題:Thunderball
監督:テレンス・ヤング
脚本:リチャード・メイボーム
   ジョン・ホプキンス
原作:イアン・フレミング
音楽:ジョン・バリー
出演:ショーン・コネリー
   クローディーヌ・オージェ
   アドルフォ・チェリ
   ルチアナ・パルッツィ

『007/サンダーボール作戦』イントロダクション

007ことジェームズ・ボンドはフランスでとある葬儀に潜入する。

それは世界的犯罪組織「スペクター」の幹部で、ボンドのMI6の同僚を二人も殺したルバール大佐の葬儀だった。

だがボンドはその死が偽装であり、未亡人に扮していたルバールの正体を見抜き、彼を斃し、MI6の秘密兵器でその場を脱出する。

そしてスペクターの本部で開かれていた会議で、ルバール大佐の死が報告されるとともに、スペクターNo.2が、北大西洋条約機構(NATO)から核爆弾搭載の戦闘機を強奪、それをもとに2億8000万ドルを恐喝する計画を立案する。

任務が一段落したボンドは、とある療養所を訪れるが、次々に何者かの襲撃を受ける、その騒動の中で、NATO軍の空軍パイロット、ダーヴァル少佐の死体を発見する。

ダーヴァル少佐はNATO軍の核爆弾を2発搭載したヴァルカン爆撃機の搭乗要員で、スペクターは彼の替え玉を用意、替え玉は訓練飛行中に乗組員全員を殺害し、ヴァルカン爆撃機の強奪に成功、レーダーから機影は消えた。

MI6本部に緊急招集された00ナンバーたち。

そこで米英の首脳に向けたスペクターの脅迫音声のテープが聴かされる。

1週間以内にダイヤモンドで1億ポンドを支払わなければ、アメリカかイギリスの主要都市のどこかに原爆を落とす、という内容だった。

ここに00ナンバーを束ねるM(バーナード・リー)から、事件を解決すべく「サンダーボール作戦」が発令された・・・!

アクション映画にはめったにない水中戦に注目!『007/サンダーボール作戦』

今作は『ゴールドフィンガー』に続く007シリーズ第4作目。

舞台はおもにバハナのナッソー、青い海だ。

スペクターが強奪する原爆搭載のヴァルカン爆撃機は、なんと身を隠すために海に着水、沈められる。

海底で今回の指示を任されたスペクターの幹部は隻眼のラルゴ(アドルフォ・チェリ)。

ラルゴは海底でヴァルカン爆撃機から2発の原爆を回収する。

007、ジェームズ・ボンドも今回はスーツでバシッと決めて、というわけにはいかず、物語の半分以上は水着である。

アクションも酸素ボンベを担いでの水中シーンが多い。

物語後半、スペクターの部隊とNATO(あるいはイギリス諜報部か?)の部隊の、核爆弾を巡ってのバトルがあるのだが、これもまた水中。

アクション映画では古今、ある意味画期的なシーンではあるのだが、水中という舞台は、あまりアクションに向いていないのではないかと気づかされる。

どうしても双方とも、体の自由がきかずジタバタもがいたうえでの乱闘になってしまい、おまけに酸素ボンベを担いでいるもんだがら、あちらで気泡がゴボゴボ、こちらでゴボゴボ、観にくいといえば観にくい。

しかも20名近くが水中眼鏡をはめているものだから、なかにボンドやラルゴが混ざっていても判別できない。

水中でのバトルのアイデアは良かったかもしれないが、実際の撮影では苦労の割に益の少ないものではなかったろうか。

現に、これまでアクション映画は多々あれど、水中バトル物はほかにあまり例を見ない。

とはいいつつも、興行成績は良かった。

当時としては珍しく全世界同時公開され、なんと007シリーズでは最高の興行収入を収めている。

人気絶頂期の作品は、ちょっとくらい失敗してもへっちゃらなのだ。

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