『007/ワールド・イズ・ノット・イナフ』
1999年イギリス・アメリカ
原題:The World Is Not Enough
監督:マイケル・アプテッド
脚本:ニール・パーヴィス
ロバート・ウェイド
ブルース・フィアステン
音楽:デヴィッド・アーノルド
出演:ピアーズ・ブロスナン
ソフィー・マルソー
デニス・リチャーズ
デヴィッド・カルダー
ロバート・カーライル
ジュディ・デンチ
デスモンド・リュウェリン
『007/ワールド・イズ・ノット・イナフ』イントロダクション
スペイン、ビルバオにあるスイス銀行に007ことジェームズ・ボンド(ピアーズ・ブロスナン)は赴いていた。
石油王サー・ロバート・キング(デヴィッド・カルダー)が盗まれた機密文書を取り返すために払った代金を、スイス銀行が取り返すことに成功、その金を回収するためだった。
機密文書を取り返す際、MI6のエージェントが一人殺されており、ボンドはその犯人を知りたい、と銀行家に迫る。
なかなか白状せずボンドを脅しにかかる銀行家だったが、逆にボンドは銀行家のボディガードたちをねじ伏せ、銀行家に銃を突きつける。
銀行家が犯人の名前を言おうとしたその時、銀行家の秘書が投げナイフで銀行家を殺し、逃げ去った。
回収した大金をロンドンのMI6本部に持ち帰ることに成功したボンドだったが、M(ジュディ・デンチ)に状況を報告している最中、大金に罠が仕替えられていることに気が付く。
だがすんでのところで間に合わず、金を受け取ろうとしたキング卿は、その罠のために爆死してしまう。
ボンドは犯人と思しき女暗殺者が壊れた壁の向こう、テムズ川に浮かぶボートからこちらの見ているのに気が付き、秘密兵器のボートで追跡を開始。
激しいボートチェイスの末、ボンドは女暗殺者を追い詰め、黒幕の正体を聞き出そうとするが、女は自爆してしまう。
スコットランドに移ったMI6の本部。
キング卿と旧知の間柄であったMは、怒りに燃え犯人に報いを受けさせることを宣言する。
事件を調べ始めたボンドだったが、キング卿の娘エレクトラ(ソフィー・マルソー)の誘拐事件ファイルへのアクセスが禁止されていることを不審に思い、Mに問い詰める。
Mはキング卿からエレクトラ誘拐事件について解決の依頼を受けた際、身代金の引き渡しには応じず、むしろ彼女を囮にしていた。
ボンドがスペインで回収し、キング卿を殺した大金の金額が身代金のそれを一致することに気付いたボンドは、これは犯人からの挑戦状だと直感する。
犯人はもとKGBで、テロリストの通称「レナード」(ロバート・カーライル)だった。
レナードはかつてエージェント009から頭部に銃弾を撃ち込まれたが生き残り、頭部に残った銃弾のため痛みを感じない体になっていた。
レナードは再びエレクトラを狙うと踏んだボンドは、彼女を警護するためにアゼルバイジャンへ向かった・・・。
5代目ボンド、ピアーズ・ブロスナンが石油パイプラインを狙うテロリストと戦うシリーズ第19作!『007/ワールド・イズ・ノット・イナフ』
20世紀最後を飾る007作品は、ジェームズ・ボンドが石油パイプラインを狙うテロリストと攻防戦を繰り広げる、シリーズの第19作『007/ワールド・イズ・ノット・イナフ』。
敵の存在がテロリストになっているのは、前々作『ゴールデンアイ』(1995年)や前作『トゥモロー・ネバー・ダイ』(1997年)と同じように、冷戦後特定の敵国の存在が無くなってしまった時勢に沿っている。
今回はさらにボンドガールのエレクトラが黒幕にからんでいることもあって、やや難解なストーリー展開。
今作では長年、作品内で様々な秘密兵器を開発してきたQ(デズモンド・リュウェリン)の引退作でもある。
後継者としてR(ジョン・クリーズ)が顔出し。
ジョン・クリーズは次回作からQとして出演することになる。
今回の作風としては、定番は抑えつつも、ジョークなどはかなり控えめで、ハードボイルド。
ボンドもかなりためらいなく敵を撃ち殺し、ボンドガールでさえもその手にかける。
こちらの作品もどうぞ!
≫映画評『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』ピアーズ・ブロスナンが演じるボンドの第2弾にしてシリーズ通算第18作!
コメント