映画評『バラキ』マフィアの実態を描いたピーター・マーズのベストセラーをチャールズ・ブロンソン主演で映画化!

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『バラキ』
1972年イタリア・フランス・アメリカ
原題:The Valachi Papers
監督:テレンス・ヤング
脚本:スティーヴン・ゲラー
   マッシモ・デ・リータ
   アルドゥイーノ・マイウリ
原作:ピーター・マーズ
音楽:リズ・オルトラーニ
出演:チャールズ・ブロンソン
   リノ・ヴァンチュラ
   ジル・アイアランド
   ジョセフ・ワイズマン
   グイド・レオンティーニ
   ワルテル・キアーリ
   アメデオ・ナザーリ
   ファウスト・トッツィ
   アンジェロ・インファンティ
   アレッサンドロ・スペルリ
   マリオ・ピラー
   フレッド・ヴァレカ
   ジェラルド・S・オローリン
   プペラ・マッジオ
   マリア・バクサ

『バラキ』イントロダクション

1962年、アメリカ・ジョージア州のアトランタ刑務所。

ここに服役してきたマフィアの構成員ジョセフ・バラキ(チャールズ・ブロンソン)は、しかし刑務所内の仲間たちから裏切り者扱いされ、受け入れられなかった。

同じく服役中のボス、ヴィト・ジェノヴェーゼ(リノ・ヴァンチュラ)に釈明したいバラキだったが、なかなかジェノヴェーゼはあってくれない。

しかしバラキは命を狙われ続ける。

バラキはジェノヴェーゼに会えば誤解は晴れると思っていたが、バラキの命を狙うように命令したのは、しかしジェノヴェーゼその人だったのである。

ある日バラキは運動の時間中、グラウンドの隅で一人の男にあとをつけられているように感じ、建物の陰でその囚人をパイプで殴り殺してしまう。

だがその男はただの詐欺師で、マフィアの一味とは関係がなかった。

軍の刑務所に移送されることになったバラキは、自責の念とジェノヴェーゼへの復讐心から、かつて自身が所属していた巨大マフィア組織「コーザ・ノストラ」の実態を、FBI捜査官のライアン(ジェラルド・S・オローリン)に語りはじめる。

1904年。

イタリア移民の子としてニューヨークのハーレムに生まれたバラキは、若いころから犯罪に手を染め、シンシン刑務所に収監される。

1929年、バラキはそこでトニー・ベンダー(グイド・レオンティーニ)とドミニク・“ギャップ”・ペトワッリ(ワルテル・キアーリ)と知り合う。

バラキは出所後、トニーやギャップのボスであるサルヴァトーレ・マランツァーノ(ジョセフ・ワイズマン)一家のもとで働き始め、やがて運転手ではあるが、忠実で頭の切れる部下としてしだいに認められていく・・・。


マフィアの実態を描いたピーター・マーズのベストセラーをチャールズ・ブロンソン主演で映画化!『バラキ』

ピーター・マーズの原作『マフィア/恐怖の犯罪シンジケート』を映画化したもの。

現役のマフィア構成員だったジョセフ・バラキが、血の掟(オルメタ)を破り、はじめて公聴会で証言したマフィアやコーサ・ノストラの実態を証言したものが基になっている。

映画では公聴会ではなく、FBI捜査官の取り調べに、ブロンソン演じるバラキが自分の半生を振り返る形で語る、という形式になっている。

原作の出版は1968年でたちまち全米でベストセラーになり、この映画化権を買い取ったのが007シリーズの初期の監督をつとめたことでも有名なテレンス・ヤング。

だが内容が内容だけに、すぐさま映画化にこぎつけたわけではなく、当時でも獄中にありながら巨大な影響力を持っていたサルヴァトーレ・ジェノヴェーゼが1969年に、当のバラキが1971年に獄中で死去したことから、ようやく映画化のゴーサインが出る。

撮影はニューヨークで始まるも、当地のマフィアから脅迫を受け、すぐさま撤収、撮影の地をイタリアはローマに変え、ようやく完成にこぎつけた、わりと難産な映画だった。

映画内では、さまざまな年代をブロンソンが髪の色を染めたりしながら演じ分けている。

ラッキー・ルチアーノをはじめさまざまな著名な人物が登場し、マフィアの源流が明かされる構成はそれだけで興味深い。


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