映画評『ゾンビ・サファリパーク』20億人の人類を失ったゾンビとの戦争から7年、人類はゾンビを孤島に閉じ込めハンティングするアトラクションに興じていた!

ポップコーン 映画評
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『ゾンビ・サファリパーク』
2015年アメリカ
原題:The Rezort
監督:スティーブ・バーカー
脚本:ポール・ガーステンバーガー
音楽:ザカリアス・M・デ・ラ・リバ
出演:ダグレイ・スコット
   ジェシカ・デ・ゴウ
   マーティン・マッキャン
   ジャッサ・アールワリャ
   エレン・リス
   クレア・グース

『ゾンビ・サファリパーク』イントロダクション

20億人が犠牲となった人類とゾンビの戦争から7年。

生き残ったゾンビを孤島に隔離して、ハンティングを楽しむ“リゾート”というアトラクションが人気を博していた。

戦争で父を失ったトラウマを克服するため、メラニー(ジェシカ・デ・ゴウ)は夫のルイス(マーティン・マッキャン)とリゾートに参加する。

しかし、何者かがリゾートのシステムに侵入してウイルスを仕掛けたことで、セキュリティが制御不能となり、島中にゾンビが解き放たれてしまった。

そのころ、何も知らないメラニーたちツアー客は、野外キャンプでゾンビ狩りを楽しんでいた・・・。

20億人の人類を失ったゾンビとの戦争から7年、人類はゾンビを孤島に閉じ込めハンティングするアトラクションに興じていた!『ゾンビ・サファリパーク』

まずもってB級映画であることはお察しいただけるであろうタイトルがいい。

主人公たちが隔離されたリゾート地として整備された孤島にアトラクションを楽しみに行くが、意図せぬトラブルに巻き込まれて・・・というくだりは、まんま『ジュラシック・パーク』である。

物語冒頭で、7年前に謎のゾンビウイルスで爆発的に増殖したゾンビたちと人類の戦いが起こり、20億もの命が失われた(ゾンビ化した・・・?)という設定が語られる。

そんな巨大災害(ゾンビを災害と呼べるのかどうかはひとまず置いておく)があったにもかかわらず、アメリカ国民はゾンビを娯楽として利用することを受け入れてしまう。

孤島にゾンビを閉じ込め、それをハンティングするアトラクションとして楽しむ、何とも罰当たりな仕儀だ。

この作品のゾンビはオールドタイプの、動きがのっそりしたゾンビではなく、普段はゆらゆらと歩いているが、襲撃となると急に俊敏になる、近年よく見るようになったタイプ。

アトラクションでは、そのゾンビたちを標的に括り付けて身動きできないところに、自由に銃を撃ちこむという、まさにアトラクションな様子が展開される。

参加者たちはヒャッハーと銃を乱射しながら、その爽快感に酔いしれるのだ。

確かに楽しいかもしれない。

だが、そのリゾートに謎の魔の手が伸びる。

何者かによって仕掛けられたウイルスにより、管理システムがエラーを発生、ゾンビたちがフェンスから解き放たれ、客たちに逆襲を開始する。

ゾンビの動きは速いし、物陰があればすぐにそこから飛び出してくる。

そういったスリル満点の演出はよくできた映画だ。

逃げながら、次第に仲間を失っていく主人公たち。

終盤になるにつれて、ゾンビの正体がわかってくる。

そう、なにげなくゾンビ・ハンティングのアトラクション、というB級設定を受け入れて深く考えなかったが、狩られたゾンビたちはもう動けないのである。

ゾンビの例によって、頭を撃ち抜かれたら活動停止。

では、アトラクションを継続運営していくために、ゾンビの補給が必要になるのではないか?

答えは用意されていた。

アメリカに外国から逃げてきた難民を騙し、島に連れてきてゾンビにしていたのである。

20億の人類が失われた世界で難民問題がどうなっているのかまでは描かれていないが、難民をゾンビ化するとは、営利目的として「そりゃイカンだろ」「ひでえ」となる。

主人公はただ一人この悪魔のリゾート地からの脱出に成功するが、ホラー映画にお約束のラストカットのオチがちゃんとあるので、ポップコーンでも食べながら最後まで楽しんでいただきたい。

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