映画評『レヴェナント:蘇りし者』愛する息子を奪われた男の復讐をかけた闘い。実話をもとに、過酷なサバイバルの旅を描く

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『レヴェナント:蘇りし者』
2015年アメリカ
原題:The Revenant
監督:アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
脚本:マーク・L・スミス
   アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
原作:マイケル・パンク『蘇った亡霊:ある復讐の物語』
音楽:坂本龍一
   アルヴァ・ノト
出演:レオナルド・ディカプリオ
   トム・ハーディ
   ドーナル・グリーソン
   ウィル・ポールター
   フォレスト・グッドラック
   ポール・アンダーソン
   

『レヴェナント:蘇りし者』イントロダクション

1823年、アメリカ北西部の極寒地帯で、ヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)を含む毛皮狩りの一団は、その日も役割を分担し獲物を捕っていた。

ガイドを務めるグラスは、息子のホーク(フォレスト・グッドラック)と共に斥候として周囲をうかがい、つぎの獲物に銃を向けていた。

隊長のアンドリュー・ヘンリー(ドーナル・グリーソン)や隊員のジョン・フィッツジェラルド(トム・ハーディ)はキャンプで獲物から毛皮をはいで、つぎの出発の準備をしていた。

その一団を、原住民のアリカラ族が取り囲み、襲撃をかけてきた。

隊のメンバーは次々と弓矢で射殺され、グラスたちはライフルで応戦するが、多勢に無勢、押されて退却を余儀なくされる。

グラスは毛皮を捨てて船に乗り込み逃げるよう指示する。

隊員は33名が死亡、船で残った数名も、アリカラ族の土地である川を下るのではなく、山からカイオワ砦に戻るほうが得策だというグラスの提案をヘンリー隊長は採用しようとするが、フィッツジェラルドは、それに反対する。

結局は船を捨て山を行くことになるが、船を捨てに行ったベケット(マッカレブ・バーネット)やウェストン(タイソン・ウッド)はアリカラ族に襲われ戻ってこなかった。

一行は毛皮を隠し、山を登っていく。

グラスが見回りに出ている最中にイノシシを見かけ、銃で狙っていると、背後から大熊に襲われる。

グラスは派手に痛めつけられ、大量の出血痕を雪の上に残す。

ナイフで何とか熊を撃退するが、グラスは瀕死の状態にあった。

ヘンリーらが異常に気づき助けに来て、グラスに治療を施すも、しばらくは安静にしなければならなかった。

ここでフィッツジェラルドは、グラスが足手まといであり、グラスが死ななければ自分たちが前に進めないことに偏執的な怒りを感じる。

野宿で皆が寝静まっているあいだ、フィッツジェラルドはグラスを窒息させようとグラスの鼻と口をふさぐ。

だがそれに気づいたホークがライフルを構えフィッツジェラルドに向けた。

しかし一枚上手のフィッツジェラルドが、ホークを刺殺してしまう・・・。

愛する息子を奪われた男の復讐をかけた闘い。実話をもとに、過酷なサバイバルの旅を描く『レヴェナント:蘇りし者』

レオナルド・ディカプリオ主演、アメリカの西部開拓時代で実在した罠猟師ヒュー・グラスの半生と、その過酷なサバイバルの旅を描くウエスタン伝記映画。

熊との壮絶な戦いや、愛する息子を奪われたグラスの復讐行、原住民族からの逃避など、ディカプリオの体を張った演技がすさまじく、アカデミー賞男優賞を受賞している。

これまで何度かアカデミー賞にノミネートされたことのあるディカプリオにとっては念願の受賞だが、セリフがほとんどないこの作品での受賞は複雑な心境だったようだ。

また監督のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥにとっては、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(2014年)以来、二度目のアカデミー賞監督賞受賞。

『バードマン』はワンショットでのカメラワークが驚異的だったが、この『レヴェナント』はマジックアワーと呼ばれる黄昏時の自然光での撮影にこだわり、ロケも極寒の地で行われ、実際の生肉を食したり、動物の死体のなかに潜り込んで眠るなど、過酷なものだった。

そのこだわりはしっかりとフィルムに映し出されている。

西部開拓時代が舞台のウエスタンものだが、いわゆる荒野でガンマンが活躍する西部劇とは一線を画す、特別なウエスタン伝記映画だ。

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