映画評『プレシディオの男たち』軍事基地で起きた女性憲兵殺人事件の謎に挑む、犬猿の仲の刑事と憲兵隊長

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『プレシディオの男たち』
1988年アメリカ
原題:The Presidio
監督:ピーター・ハイアムズ
脚本:ラリー・ファーガソン
音楽:ブルース・ブロートン
出演:ショーン・コネリー
   マーク・ハーモン
   メグ・ライアン
   ジャック・ウォーデン

『プレシディオの男たち』イントロダクション

アメリカ合衆国、サンフランシスコにあるプレシディオ基地。

ある夜の巡回当直にあたっていた女性憲兵パティ・ジーン・リンチ(ジェニット・ゴールドスタイン)は、将校クラブ前に停めてある不審な車を発見する。

見ると将校クラブの出入り口のドアが何者かによって破られている。

パティは応援を待つように無線で指示を受けるが、単身乗り込み、逆に射殺されてしまった。

犯人は車に乗って逃走、プレシディオ基地の管轄外に出てしまう。

軍から連絡を受けたサンフランシスコ警察のパトカーが跡を継いで犯人の車を追いかけるが、途中、衝突事故を起こしてしまい炎上、犯人はまんまと逃げおおせた。

サンフランシスコ警察とプレシディオ基地は合同で捜査を開始することになる。

サンフランシスコ市警からは、もと憲兵隊員だった過去を持つジェイ・オースティン警部(マーク・ハーモン)が担当することに。

ジェイは憲兵時代、パティの同僚でもあった。

そして捜査を開始する早々、憲兵時代の元上司で憲兵隊長のアラン・コールドウェル中佐(ショーン・コネリー)と再会する。

だが、ジェイもコールドウェル中佐も、お互いのことを良く思っていなかった。

ジェイは憲兵時代に、パティを侮辱したポール・ローレンス大佐(ダナ・グラッドストーン)を殴って身柄を拘束したことがあった。

だがコールドウェル中佐はローレンス大佐を何の咎めもなく解放したばかりか、逆にジェイを問答無用で非難したため、嫌気がさしたジェイは憲兵を辞めたのだった。

案の定、二人の捜査はうまくいかない。

そんなおり、コールドウェル中佐の家を訪ねたジェイは、コールドウェル中佐の娘ドナ(メグ・ライアン)と出会い、二人はたちまち恋に落ちる・・・。

軍事基地で起きた女性憲兵殺人事件の謎に挑む、犬猿の仲の刑事と憲兵隊長『プレシディオの男たち』

サンフランシスコのプレシディオ軍事基地で起きた女性憲兵殺人事件を共に捜査することになった元憲兵の刑事と、その憲兵の元上司の憲兵隊長が不仲を乗り越え事件に挑むサスペンス映画。

監督のピーター・ハイアムズは自ら監督・脚本を担当し、『カプリコン・1』(1977年)や『2010年』(1984年)など良作を多く生み出していたが、この『プレシディオの男たち』あたりからは、監督は担当するものもこれといった大ヒットは無く、やとわれ監督の印象が強い。

この映画の売りはやはり主演のショーン・コネリーだろう。

背の高い彼はやはり軍服姿が映える。

実際軍人の経験があるショーン・コネリーは、いろんな映画で制服姿を披露しているが、どれも板についている。

映画の構成は、つかみのパートのカーチェイスアクションとクライマックスの銃撃アクションのほかは、刑事ジェイとコールドウェル中佐の確執、ジェイとドナの恋、そしてコールドウェル中佐のもと軍人仲間であるロス・マクルーア元曹長(ジャック・ウォーデン)が絡んで、事件と事情が進展していくのだが、どうも弛み感が否めない。

ちょうどアメリカの1時間ものテレビドラマのスペシャル回で、前後編の2話をつなぎ合わせたらこんな感じになる。

オマケ要素の恋愛パートはさておき、コールドウェル中佐をとりまく、事件の真相に関するあれこれにもっと焦点が当たるようにドラマを持っていけたら、この映画の印象とサスペンス要素はぐっと上がっただろうに。

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