『オペラ座の怪人』
2004年アメリカ
原題:The Phantom of the Opera
監督:ジョエル・シューマカー
脚本:ジョエル・シューマカー
アンドルー・ロイド・ウェーバー
原作:ガストン・ルルー
音楽:アンドルー・ロイド・ウェーバー
出演:ジェラルド・バトラー
エミー・ロッサム
パトリック・ウィルソン
ミランダ・リチャードソン
『オペラ座の怪人』イントロダクション
1919年、クモの巣もはるうらぶれたオペラ・ポピュレールで、公開オークションが開催される。
出品物はどれも劇場にゆかりのあるものばかりだった。
オークションに参加していたラウル・シャニュイ子爵は、黒いドレスの老女マダム・ジリー(ミランダ・リチャードソン)と張り合ったうえ、猿の張子人形のオルゴールを競り落とす。
競売人は次にボロボロになったシャンデリアを紹介する。
シャンデリアは幻想的な輝きを取り戻し、ゆっくりと上昇すると、時間も1870年にさかのぼった・・・。
オペラ座では、次回公演のオペラ『ハンニバル』のリハーサルが行われていた。
オペラ座のオーナームッシュ・レフェーヴは退職を決めており、つぎのオーナーは、芸術関連にまったく経験のないリチャード・フェルマン(キアラン・ハインズ)とギルズ・アンドレ(サイモン・キャロウ)が買収して引き継ぐことになることを、オペラ座のメンバーに説明する。
オーナーが変わってもやることは同じ、と、リハーサルに戻る面々だったが、座付ソプラノ歌手のカルロッタ・ジュディチェリ(ミニー・ドライヴァー)が得意満面、新しいオーナーたちの前で歌い始めると、突然舞台の背景が崩れ落ち、カルロッタが下敷きになってしまう。
舞台裏の人々が、口々に「オペラ・ゴースト」の仕業だと声をひそめる。
「オペラ・ゴースト」とは、オペラ座の劇場下の地下墓地に住むと噂される怪人だった。
かんしゃくを起こしたカルロッタは、この件がもう二度と起きないと約束できるまで歌わないと言って、その場を立ち去ってしまう。
困り果てた新マネージャーたちだったが、バレエのリーダーであるマダム。ジリーが、カルロッタの代役にクリスティーナ・ダーエ(エミー・ロッサム)という少女を推薦した。
マネージャーたちは訝しんだが、クリスティーナが実際に唄ってみせると、その素晴らしい歌唱力に劇場の全員が納得する。
そして舞台装置の裏では、謎の人影がうごめくのだった・・・。
アンドルー・ロイド・ウェーバーの大ヒットミュージカルを完全映画化!『オペラ座の怪人』
原作:ガストン・ルルーの小説を、というより、アンドルー・ロイド・ウェーバーの大ヒットミュージカルを映画に完全移植したといったほうがいい2004年の映画。
怪人と歌姫の悲しくも美しい愛の物語を、名曲と共に描く。
ジョエル・シューマカー監督の映画ならではの絢爛豪華な映像も見どころ。
映画内での歌はすべて、役者本人たちが歌っている。
ヒロインのクリスティーナ役のエミー・ロッサムの艶のあるのびやかでしっとりした歌声と、怪人役のジェラルド・バトラーのロック・テイストを感じさせる力強い歌声、そのハーモニーが素晴らしい。
話しは脇にそれるが、原題が『The Phantom of the Opera』すなわち、オペラ座の幽霊、とでも訳すのがストレートなのだが、「怪人」と訳したのはおそらく1930年(昭和5年)の田中早苗の翻訳から。
本編内では、怪人は「オペラ・ゴースト」と呼ばれており、タイトルで使われる「The Phantom 」とこれまた別の単語が使われている。
こちらの作品もどうぞ!
≫映画評『雨に唄えば』サイレントからトーキーへ移り行くハリウッドをロマンスとユーモアで描く傑作ミュージカル!
コメント