映画評『老人と海』ノーベル賞作家ヘミングウェイの名作を映画化!

大西洋 映画評
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『老人と海』
1958年アメリカ
原題:The Old Man and the Sea
監督:ジョン・スタージェス
脚色:ピーター・ヴァイテル
音楽:ディミトリ・ティオムキン
出演:スペンサー・トレイシー
   フェリッペ・パソス

『老人と海』イントロダクション

老人が一人、メキシコ湾の量から戻る。

キューバで漁師として生計を立てている老人サンチャゴだ。

彼はもうすでに84日間も不漁で何も釣れなかった。

はじめは少年と一緒に釣りに出ていたが、40日を過ぎたところで少年の両親は「老人の運は尽きた」といって少年に別の船に乗り換えるように言った。

少年が乗り換えた船は、すぐに大物を三匹も釣った。

少年は老人を慕っていた。

老人はすでに白髪で、首のしわも深い。

両手には巨大な魚と格闘した傷跡が刻まれている。

その傷は古く、砂漠にできた亀裂のようだ。

だが老人の目だけは違う。

海と同じ色で、明るく不屈の精神が宿る。

収穫の無い老人を見ると少年はつらい。

少年はいつも老人を出迎え、老人の漁具や帆を運ぶ手伝いをした。

粉袋で継ぎを当てた帆は、まるで永遠に続く敗北の旗だ。

その日老人はいつものように目を覚ます。

暗闇の海に漕ぎ出す老人を少年は見送る。

老人は朝焼けのなかで、トビウオが海面を離れるときの音や暗闇を滑空する音を聞いた。

海では
トビウオが一番の友となる。

夜が明けほかの舟の姿が見える。

みんな目指す漁場に散らばっていく。

若い漁師の中には海を敵とみなすものもいたが、老人は海を恩恵と損害をもたらす存在と考えた。

明るくなる前に竿を数本仕掛ける。

それぞれ違う深さに沈めた針の先には餌のイワシがかけてある。

日が昇って2時間、すでに日光は目に痛くない。

そこにグンカンドリが現れる。

「何か見つけたな」

老人は舟を進めると、ついに一匹の大物が餌に食らいついた・・・。

ノーベル賞作家ヘミングウェイの名作を映画化!『老人と海』

映画『老人と海』は、ノーベル賞作家アーネスト・ヘミングウェイの名作短編小説を映画化したものだ。

ヘミングウェイは『武器よさらば』『陽はまた昇る』等ですでに大作家としての地位を確立してはいたが、1953年に小説『老人と海』でピューリッツァー賞を受賞し、それが1954年のノーベル文学賞受賞のきっかけとなった。

監督は『OK牧場の決闘』(1957年)『荒野の七人』(1960年)のジョン・スタージェス。

大海原での老人と一匹の大魚の死闘をダイナミックかつ丁寧なナレーションで描く。

撮影はキューバのコヒマル湾で2カ月かかって行われたという。

朝日や夕日の赤や、月夜の白光に浮かぶ黒いシルエットとして浮かぶ老人の舟、カッと照り付ける日光の下、真っ青な空と大海原にぽつんと浮かぶ
老人の舟。

数日にも及ぶ孤独な老人の、一匹の魚との戦いを描く物語は、素朴な大自然への畏怖と尊敬の念を呼び起こす。

前述のとおりキューバの海での実際の撮影のほかにも、ごく初期のブルースクリーン合成技術を使った作品でもある。

物語は老人と魚の格闘がメインなんだけれども、老人を慕う少年と老人の心の触れ合いがとても優しさにあふれていてよい。

孤高の気高い老人の哲学は、長い長い人生経験によって形作られたもの。

少年はそれを子供ながらの純粋な感覚でそれを感じ取っているのだろう。

文豪ヘミングウェイの作品の中でも、『老人と海』は短編で読みやすいし、この映画『老人と海』も上映時間は86分と比較的気楽にみられる作品である。

コスパは良いので話のネタにご覧になるとよいだろう。

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