映画評『スリーデイズ』ごく平凡な大学教授が、妻を脱獄させる前代未聞の計画!はたして逃げ切れるのか?

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『スリーデイズ』
2010年アメリカ
原題:The Next Three Days
監督:ポール・ハギス
脚本:ポール・ハギス
音楽:ダニー・エルフマン
出演:ラッセル・クロウ
   エリザベス・バンクス
   ブライアン・デネヒー
   レニー・ジェームズ
   オリヴィア・ワイルド
   タイ・シンプキンス
   ヘレン・ケアリー
   リーアム・ニーソン

『スリーデイズ』イントロダクション

ごく平凡な大学教授のジョン・ブレナン(ラッセル・クロウ)とその妻ララ(エリザベス・バンクス)は息子のルーク(タイ・シンプキンス)と三人で幸せな日々を過ごしていた。

ある朝のことだった。

出勤前の準備中、ララは自分のコートの背中になにかシミが付着していることに気が付いた。

そのシミを洗面台で洗うと、赤く流れ出す。

血? そう思った瞬間だった。

家の玄関から突然警官たちが突入して、ララを取り押さえた。

「これは何の真似だ!?」

ジョンの叫びもむなしい。

ルークは恐怖で母親を呼ぶが、ララはすでに後ろ手に身柄を拘束され、家から連れ出されようとしていた。

警官はララを殺人容疑で逮捕したのだった。

それから二年がたった。

ジョンはララの無実を信じて、無実を証明するために証拠集めに躍起になっていた。

だが殺人事件に使われた凶器の消火器からはララの指紋が検出されており、また、ララのコートに付着していたシミは被害者の血液だった。

ララにはこれらの物的証拠を覆すものが示せなかった。

弁護士も無実を証明することは難しいという。

打ちひしがれるジョン。

ララの殺人罪は確定してしまい、絶望したララは自殺を図った。

一命を取り留めたが、ジョンは妻にかける言葉がなかった。

だが、ベッドでうつろになった妻の姿を見ているうちに、ジョンの胸の内に、どうしても彼女の人生を取り戻す、という決意が生まれる。

その日からジョンはさまざまな資料を読み漁り、ある時、7回も脱獄に成功したという男デイモン・ペニントン(リーアム・ニーソン)から脱獄の心得を聞き出す・・・。

ごく平凡な大学教授が、妻を脱獄させる前代未聞の計画!はたして逃げ切れるのか?『スリーデイズ』

ごく平凡な大学教授が、殺人の罪で投獄された愛する妻の無実を信じ、彼女を取り戻すため命を懸けた脱獄計画を練り上げ実行に移すさまをスリリングに描き出すサスペンス・ドラマ。

2008年公開のフランス映画『すべて彼女のために』(フレッド・カヴァイエ監督)のリメイク作。

大筋のストーリーは変わらないが、『クラッシュ』(2004年)や『告発の時』(2007年)でサスペンス・アクションには定評のあるポール・ハギスがメガホンを取り、彼ならではの緊迫の演出を見せる。

精神的に追い詰められ、徐々に常軌を逸脱していく主人公を演じるラッセル・クロウとその妻役エリザベス・バンクスの演技は手堅く、さすがではあるが、いかんせん脚本というか、構成が練り切れていない印象。

妻の嫌疑が、視聴者には濡れ衣だとわかるようにはしてあるが、物語のなかでは有罪確定で、そのまま脱走劇が展開してしまうので、事件解決の爽快感は得られないのだ。

そういったモヤっとした作劇が好きな方もいらっしゃるかもしれないが・・・。

ポール・ハギスは脚本家としても大作を手掛けて成功している(例えば『007/カジノ・ロワイヤル』や同じく『007/慰めの報酬』などは、どこか暗いオチを見せながらも、しっかりドラマは終了し、映画を観終えた感じが出せている)だけに、やはり本作はどこか物足りない。

(あ、でも『ミリオンダラー・ベイビー』の脚本家でもあるんだな、ポール・ハギス・・・。)

スタッフはじめキャストの面々も手堅いところをそろえているだけに、才能がもったいない映画だ。

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