映画評『知りすぎていた男』劇中歌『ケ・セラ・セラ』があまりにも有名なヒッチコックの傑作サスペンス

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『知りすぎていた男』
原題:The Man Who Knew Too Much
監督:アルフレッド・ヒッチコック
脚本:ジョン・マイケル・ヘイズ
   アンガス・マクファイル
音楽:バーナード・ハーマン
出演:ジェームズ・ステュアート
   ドリス・デイ

『知りすぎていた男』イントロダクション

『シンバルの一打に、そのアメリカ人一家はいかに心身を揺るがされたか・・・。』

フランス領モロッコに観光旅行に訪れていたマッケナー家のベン(ジェームズ・ステュアート)、ジョー(ドリス・デイ)、息子のハンク(クリストファー・オルセン)は、カサブランカ発マラケシュ行の観光バスに揺られていた。

とあるアクシデントをきっかけに、ベンたちは謎のフランス人ベルナール(ダニエル・ジェラン)と知り合う。

ベンの職業や出身地、今回の旅行の行程など、マッケナー家のことをあれこれ聞き出すベルナールだったが、自身のことはいっさい話そうとしない。

そのことに不審を抱くジョーだったが、ひとまず一家はマラケシュに到着する。

夕食の約束をするマッケナー家とベルナールだったが、ベルナールに急報が入り、夕食を共にする約束はキャンセルとなる。

アラビア風レストランでディナーを取るベンとジョーは、隣席のドレイトン夫妻と知り合う。

そこにベルナールが女性同伴で現れる。

ベルナールはベンとジョーを監視しているようだった。

翌日、マラケシュの街中に繰り出すマッケナー家。

ドレイトン夫妻が同伴し、ハンクの面倒をドレイトン夫人が見てくれていた。

さまざまな見世物を楽しむ一行だったが、急に別の騒がしさが起こる。

何者かが警察に追われていたのだ。

その何者かは市街を逃走中に、一人の人物を背中から刃物で刺した。

その刺された人物は、誰あろうアラブ風に変装したベルナールだった。

ベルナールは最後の力を振り絞りベンに近寄ると、彼の耳元に、こうささやいた。

「ある男が・・・政治家が・・・殺される・・・。暗殺だ・・・ロンドンで・・・。その時が迫っている、ロンドンに行き警告を・・・。アンブローズ・チャペルに・・・」

そしてベルナールはこと切れる。

ベンとジョーは警察で事情聴取をうける。

ハンクはベルナール夫人がホテルに送ってくれることになった。

事情聴取で、刑事はベンが秘密の情報を握っており、それを明かすように迫った。

ベルナールの正体は諜報員だったのだ。

巻き込まれただけだと主張する弁だったが、そこに何者かからベンに電話がかかる。

電話の主は言う。

「市場でベルナールが伝えた情報を、少しでもしゃべったらご子息に危険が及ぶぞ」

息子ハンクを人質に取られ、警察にも相談できなくなったベンとジョーは、独力で息子の捜索に行動を開始する・・・。

劇中歌『ケ・セラ・セラ』があまりにも有名なヒッチコックの傑作サスペンス『知りすぎていた男』

国際的な陰謀に巻き込まれ、息子を誘拐されてしまったアメリカ人夫妻を描く、アルフレッド・ヒッチコック監督の傑作サスペンス。

ドリス・デイが歌う劇中歌『ケ・セラ・セラ』はあまりにも有名。

この『ケ・セラ・セラ』はアカデミー歌曲賞を受賞した。

ベルナールという実は秘密情報員である男と知り合う冒頭から、トントンと不審な出来事がつづき、気が付くと大事件にまきこまれている物語の運びは傑作と呼ばれるにふさわしい。

最後まで無駄なくサスペンスが続いていくのでつい、観てしまうのだが、よくよく振り返ると、悪役のただの不手際のせいで話がこじれているだけなんだよね。

もともとは1934年、イギリス時代のヒッチコックの『暗殺者の家』が原作で、『知りすぎていた男』はそのリメイク。

ヒッチコック自身によると、「オリジナル版は若干腕の立つアマチュアの作品」で、『知りすぎていた男』は「実力を兼ね備えたプロの作品」とのことだが、『暗殺者の家』も名作の誉れ高い。

どちらもDVDが出ているので、比較してみるのも面白いだろう。

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