映画評『荒野の七人』黒澤明監督『七人の侍』を西部劇としてリメイクした大ヒット作

夕焼けとカウボーイ 映画評
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『荒野の七人』
1960年アメリカ
原題:The Magnificent Seven
監督:ジョン・スタージェス
脚本:ウィリアム・ロバーツ
   ウォルター・ニューマン
   ウォルター・バーンスタイン
原作:黒澤明
   橋本忍
   小国英雄
   『七人の侍』
音楽:エルマー・バーンスタイン
出演:ユル・ブリンナー
   イーライ・ウォラック
   スティーブ・マックイーン
   チャールズ・ブロンソン
   ロバート・ヴォーン
   ブラッド・デクスター
   ホルスト・ブッフホルツ
   ジェームズ・コバーン

『荒野の七人』イントロダクション

メキシコのとある寒村イズトラカンは収穫の時期を迎えていた。

そこにカルベラ(イーライ・ウォラック)率いる盗賊団が押し寄せてくる。

イズトラカンの村は、毎年このカルベラたちに作物を奪われ、苦しんでいた。

「俺の身にもなってみろ、子分たちに食い物と弾丸を与えてやらなきゃならねえ」

勝手な言い分をして、カルベラ盗賊団は作物、鶏、毛皮と次々に奪っていく。

たまりかねた村人のひとりが抗議の声を上げるが、カルベラに銃殺されてしまう。

そして、また近いうちに残りをもらいに来る、といいのこしてカルベラたちはいったん引き揚げていった。

村の男ミゲル(ジョン・アロンゾ)は、これ以上は自分たちは耐えられても、子供たちにこの苦しみを与え続けるわけにはいかない、と長老(ウラディミール・ソコロフ)に相談する。

長老は盗賊と戦うことを進言する。

村人たちは銃を買うために金を出し合って、ミゲルは国境をこえてテキサスに向かった。

テキサスの辺境の町にたどり着いたミゲルとその仲間たちは、そこで奇妙な光景にであう。

行き倒れた先住民の死体を誰も葬ろうとしないのだ。

その町では先住民の埋葬が禁じられていた。

見かねた行商人たちが葬式を出してやろうとしていたが、周囲は敵意をむき出しにした荒くれ者ばかりで、誰も霊柩車の御者を引き受けようとしない。

だが、ひとりのガンマン・クリス(ユル・ブリンナー)が御者を名乗り出る。

それを見てもうひとりガンマン・ヴィン(スティーブ・マックイーン)が助っ人に現れる。

通りの窓や屋根から次々に狙撃を受けるも、これを見事な早撃ちで撃退しながらクリスとヴィンは霊柩車を墓地まで進める。

墓地でも数名の住民たちに銃を突き付けられるが、二人はこれも難なく退け、先住民の死体を無事、埋葬するのだった。

この二人の男を見て、ミゲルたちは「銃の買い方と撃ち方を教えてほしい」とクリスに頼む。

クリスは「銃を買うよりガンマンを雇ったほうがいい」と言ってみずから助っ人を買って出た。

この人柄にひかれたヴィンも協力を申し出る。

だがこれではまだ助っ人の数が足りない。

クリスたちはまず、味方となってくれるガンマン探しを始めた・・・。

黒澤明監督『七人の侍』を西部劇としてリメイクした大ヒット作『荒野の七人』

メキシコを舞台に、村人を苦しめる盗賊に七人のガンマンが立ち向かう大ヒット西部劇。

黒澤明監督の『七人の侍』のリメイク作だ。

監督は多くの西部劇を手掛けたアクション映画の名匠ジョン・スタージェス。

主演のユル・ブリンナーをはじめ、ガンマンを演じたスティーブ・マックイーン、チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーンは一躍スターとなった。

またエルマー・バーンスタインの西部劇然とした勇壮なテーマ曲は、今も高い人気を誇る。

単なるオリジナル『七人の侍』の筋をなぞった物語ではなく、舞台をメキシコの荒野に、サムライをガンマンに置き換えたことで生じる生き方の違いをしっかり描き分けたことで、西部劇としての独自性が確立されている。

西部劇映画史に残る名作の一本。

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