映画評『ラスト サムライ』明治維新直後、西洋式軍隊の教官となるが、侍とふれあい、武士道精神に開眼していくアメリカ人を描く時代劇大作!

サムライ 映画評
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『ラスト サムライ』
2003年アメリカ
原題:The Last Samurai
監督:エドワード・ズウィック
脚本:ジョン・ローガン
   エドワード・ズウィック
   マーシャル・ハースコビッツ
原案:ジョン・ローガン
音楽:ハンス・ジマー
出演:トム・クルーズ
   渡辺謙
   真田広之
   小雪
   小山田真
   ティモシー・スポール
   ビリー・コノリー
   原田眞人
   

『ラスト サムライ』イントロダクション

古くは『古事記』の一節より。

日本は剣でつくられたという。

古の神が剣を海に浸け、それを引き上げると四つの雫が滴り落ち、それが日本列島になったそうな。

日本を作ったのは一握りの勇敢な男たちではなかったか?

彼らは今や忘れられたこの言葉に命をささげた。

“名誉”に。

南北戦争時代のアメリカで、北軍の士官として戦争に参加したネイサン・オールグレン大尉(トム・クルーズ)は、南軍や先住民との戦いのなか、上官の命令により戦争とは関係のない無抵抗の先住民部落に攻撃を仕掛け、無差別殺戮を行った過去を持っていた。

そのため、良心の呵責に悩まされたオールグレンは悪夢に苛まれるようになり、軍を離れた。

1875年、サンフランシスコで、オールグレンはウィンチェスター社と契約し、戦争の英雄として祭り上げられ、新式銃の宣伝塔として週たった25ドルという薄給で使われていた。

だがまともに仕事もこなさず、酒浸りのオールグレンに、ウィンチェスターの社員も手を焼いていた。

そこに、日本の実業家で大臣も務める大村(原田眞人)が日本の軍隊の教官を探しに現れる。

そのころ日本では明治維新が成り、近代国家建設のため、急激な近代的軍備増強を必須としていたのだ。

大村にオールグレンを紹介したのは、かつての北軍の上官のバグリー大佐(トニー・ゴールドウィン)だった。

オールグレンはバグリーを嫌い、憎んですらいたものの、500ドルという報酬に惹かれ日本へ渡ることを承諾する。

1876年になり、日本で軍隊に教練を続けるオールグレンのもとに、明治政府に不満を抱く士族、勝元盛次(渡辺謙)の一党が鉄道を襲ったとの報が入る。

軍を出すよう命令されるが、まだろくな訓練もできていない。

オールグレンはいったんは拒否するも、押し切られ、勝元たちサムライと戦うことになる。

やはり明治政府軍はサムライたちにかなわず、部隊は散り散りになり、オールグレンは勝元に捕えられた。

だが勝元はオールグレンを殺そうとはせず、妹のたか(小雪)に手当をさせ、村で自由な行動を許した・・・。

明治維新直後、西洋式軍隊の教官となるが、侍とふれあい、武士道精神に開眼していくアメリカ人を描く時代劇大作!『ラスト サムライ』

トム・クルーズ製作・主演。

明治維新直後の日本が舞台の時代劇大作。

近代化を進めるため、武士の存在を否定し、根絶を目指していた明治政府は、南北戦争の英雄だった元軍人のオールグレンを西洋式の軍隊の教官として雇う。

オールグレンは戦闘中に武士の一団によって捕らわれるが、侍の長・勝元たちとふれあい、誇り高い武士道の精神に心を動かされる。

そして勝元たち最後のサムライと明治政府軍のあいだに最後の決戦が迫る・・・。

渡辺謙、真田広之ほか日本人俳優の出演も話題となり、アメリカ本国のみならず日本でも好調な興行成績を上げた。

また日本の俳優が海外に進出する契機となる作品の一つとなった。

物語は西郷隆盛が明治新政府に対して蜂起した西南戦争(1877年)がモデルとされている。

明治天皇との謁見シーンや、まるで漫画じみた“ニンジャ”が登場することなど、違和感は諸所あるものの、おおむね時代劇としてしっかり成立しており、アクションシーンは真田広之をはじめ迫力の殺陣を見ることができるのは、当時のアメリカ映画では珍しかった。

制作陣が日本へのリスペクトをこめたことがよくわかる、「時代劇」を関するにふさわしいハリウッド映画になっている。

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