映画評『続・夕日のガンマン』マカロニ・ウエスタンの最高峰

夕焼けとカウボーイ 映画評
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『続・夕日のガンマン』
1966年イタリア・西ドイツ・スペイン・アメリカ
原題:The Good, the Bad and the Ugly
監督:セルジオ・レオーネ
脚本:セルジオ・レオーネ
   フリオ・スカルペッリ
   ルチアーノ・ヴィンチェンツォーニ
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:クリント・イーストウッド
   リー・ヴァン・クリーフ
   イーライ・ウォラック

『続・夕日のガンマン』イントロダクション

アメリカ南北戦争時代。

主人公は善玉・ブロンディ(クリント・イーストウッド)、悪玉・エンジェル・アイ(リー・ヴァン。クリーフ)、卑劣漢トゥーコ(イーライ・ウォラック)の三人。

エンジェル・アイがある男の家を訪ねていた。

男は南軍の隠し金貨のありかの情報を握っていた。

隠し金貨の情報を握っている男の名がビル・カーソンであることを知ったエンジェル・アイは、男とその息子を射殺した後、自分を雇った男も殺してしまう。

さて、賞金首のトゥーコはブロンディと組んで、二人で賞金を山分けしていた。

いったんブロンディがトゥーコを保安官に突き出し、賞金をもらったあと、トゥーコが絞首刑になるところを、ブロンディが首縄をライフルで打ち抜き、トゥーコを助け、二人で逃亡するというやり方だ。

何度めかの賞金詐欺ののち、ブロンディはトゥーコを見限ることにする。

トゥーコを砂漠に置き去りにして立ち去るブロンディ。

しかしなんとか生き延びたトゥーコは、今度はブロンディを銃で脅し、砂漠を歩かせる。

そこに南軍の兵士の死体を乗せた馬車が通りかかった。

馬車には、南軍の金貨を隠した墓地を知っている眼帯の男・ビル・カーソンが乗っていたが、半死半生だった。

トゥーコは瀕死のカーソンから、墓地の場所を聞き出す。

あとはその墓地の、誰の墓に金貨が隠してあるかだ。

水を飲ませてくれと頼むカーソンのために、馬から水筒をとってくるあいだに、ブロンディはカーソンから墓碑銘を聞き出す。

そしてカーソンは息絶えてしまう。

墓地の場所だけを知るトゥーコ、墓碑銘だけを知るブロンディは、再び手を組むことにする。

二人は南軍の兵士に変装し馬車で出発するが、北軍につかまり、捕虜収容所に送られてしまう。

そこには北軍の士官となったエンジェル・アイの姿があった・・・。

マカロニ・ウエスタンの最高峰『続・夕日のガンマン』

『荒野の用心棒』(1964年)、『夕日のガンマン』(1965年)に続いてセルジオ・レオーネが世界にはなった傑作マカロニ・ウエスタンがこの『続・夕日のガンマン』である。

タイトルに「続」とあるが、『夕日のガンマン』(原題:For a Few Dollars More)と『続・夕日のガンマン』(原題:The Good, the Bad and the Ugly)には直接のストーリーや設定のつながりはない。

ひりつく荒野、吹きすさぶ砂塵、葉巻(シガレロ)やポンチョ。

キャラクターたちの持つ銃やガンアクション。

そしてイーストウッドがかぶる、ひさし(プリム)が平らな独特のカウボーイハット。

それらすべてのスタイルがここで完成していると言っても過言ではない。

マカロニ・ウエスタンは『荒野の用心棒』『夕日のガンマン』『続・夕日のガンマン』の世界的大ヒットにより、その様式美と共にクローンが大量に制作された。

なかには上質の作品も見受けられるが、やはりストーリーやキャラクターの完成度ではいまだにこの『続・夕日のガンマン』が最高峰である。

また、この作品は、いわゆる聖地巡礼(撮影された場所を訪れること)映画のはしりでもある。

ロケは主にスペインで撮影されたが、ラストシーンの印象的な墓地については、熱狂的なファンが世界中から集まり、墓地を復元したという。

このあたりはドキュメンタリー映画『サッドヒルを掘り返せ』(2017年)をご覧になっていただきたい。

クリント・イーストウッド本人もコメントを寄せている。

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