『ゴールデン・チャイルド』
1986年アメリカ
原題:The Golden Child
監督:マイケル・リッチー
脚本:デニス・フェルドマン
音楽:ミシェル・コロンビエ
出演:エディ・マーフィ
シャーロット・ルイス
チャールズ・ダンス
ヴィクター・ウォン
ランドール・“テックス”・コップ
ジェームズ・ホン
シャクティ
J・L・リアート
『ゴールデン・チャイルド』イントロダクション
チベットの奥地。
吹雪が吹き荒れる僧院に、大事に育てられ、崇め奉られているまだ年端もいかぬ少年(J・L・リアート)がいた。
その少年は不思議な力を持っていた。
ひとりの僧侶が死んだインコを運んでくると、少年はそのインコにそっと触れる。
と、インコが息を吹き返し、僧院のなかを元気にに飛び回るのだった。
奇跡の技に驚き、喜ぶ僧侶たち。
そのとき、突然僧院の扉が押し破られ、見知らぬ男たちが侵入してきて、僧侶たちを銃で殺戮し始めた。
あっという間に全滅する僧侶たちのなか、少年一人が無事である。
侵入してきた男たちは、あらかじめ用意してきた籠に少年を捕える。
その籠にうかつに近づいた男が一人、その男の手に少年がふれると、その男は少年に操られ、リーダー格の男サード(チャールズ・ダンス)に襲いかかった。
サードは不思議な魔術を使い瞬間移動してその攻撃を逃れ、その一方で別の仲間たちが矢を放ち、操られた男は殺される。
少年は泣き叫ぶこともなく籠で運ばれ、寺院の外、吹雪の中に消えていく。
そして少年が先ほど生き返らせたインコもまた、寺院から飛び立つのだった。
アメリカ、ロサンゼルス。
この街で行方不明の子供を探すことを仕事としていた男チャンドラー・ジャレル(エディ・マーフィ)は、ワイドショーに出演し、シェリルという16歳の行方不明の少女の情報提供を呼びかける。
そのジャレルのもとに、テレビをみたチベットの女性、キー・ナン(シャーロット・ルイス)が訪ねてくる。
キーはチベットで誘拐された少年の捜索をジャレルに依頼する。
キーが言うには、その子供は世界を救う特別な子供“ゴールデン・チャイルド”で、「選ばれし者」だけが彼を救うことができるとのことだった。
まるで絵空事のような話に、ジャレルはキーを相手にしない。
しかし、やがて見つかった捜索中のシェリルが異様な状況で見つかったことから、ジャレルはキーの話を少しずつ聞くようになる・・・。
一千世代に一度生まれ、世界を救う“ゴールデン・チャイルド”が誘拐される。彼を救うのは『選ばれし者』チャンドラー・ジャレル!『ゴールデン・チャイルド』
エディ・マーフィ全盛期のころの一本。
一千世代に一度生まれる神秘の子供“ゴールデン・チャイルド”は善の象徴であり、彼がこの世からいなくなれば、世界の平和が乱れてしまうという。
そのゴールデン・チャイルドが悪の組織にさらわれ、命を狙われる。
チャイルドを救うことができるのは予言によると『選ばれし者』チャンドラー・ジャレルただ一人!
という、シンプルな「善」対「悪」の構図。
敵のボスは実は悪魔であるが、あまり万能ではなく、エディ・マーフィ演じるチャンドラー・ジャレルのおちゃらけにも一杯食わされてしまう。
なんとも世界の命運がかかっているわりにはお気楽なコメディ映画(まあ、エディ・マーフィ主演だもんね)だ。
監督のマイケル・リッチーも、過去に『がんばれ!ベアーズ』(1976年)など、コメディ映画を得意とする。
要所要所でストーリーを盛り上げる特撮はよくできており、コーラの缶が人形になって踊りだすシーンや、炎の中で悪魔がうごめくシーンなどは、いまみても味があるし完成度も高い。
エディ・マーフィ映画としては『48時間』(1982年)や『ビバリーヒルズ・コップ』シリーズなどの大ヒット作のあいだにはさまれて、あまり目立たない作品だ。
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