映画評『アイガー・サンクション』スタントなし!イーストウッドの山岳スパイ・アクションの傑作!

アルプス アイガー 映画評
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『アイガーサンクション』
1975年アメリカ
原題:The Eiger Sanction
監督:クリント・イーストウッド
原作:トレヴェニアン
脚本:ハル・ドレズナー
   ウォーレン・B・マーフィ
   ロッド・ウィテカー
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:クリント・イーストウッド
   ジョージ・ケネディ
   ヴォネッタ・マッギー
   セイヤー・デイヴィッド

『アイガー・サンクション』イントロダクション

大学で美術の教授を務めるジョナサン・ヘムロック(クリント・イーストウッド)は、かつて諜報機関に属していた腕利きの殺し屋だった。

ある日ヘムロックは諜報機関のトップであるドラゴン(セイヤー・デイヴィッド)に呼び出される。

ドラゴンはヘムロックに、殺しの依頼をする。

諜報員のひとりが殺され、極秘情報が盗まれたので、犯人の二人を殺してほしいというのだ。

暗殺稼業に嫌気がさしていたヘムロックは依頼を断ろうとするが、闇ルートで入手しそろえてきた美術品コレクションの情報を税務署に知らせる、そうすれば美術品は没収される、と脅された。

しかたなくヘムロックは、2万ドルの報酬とコレクションは正式にヘムロックのものであるとする保証書と引き換えに、暗殺を引き受ける。

チューリッヒで犯人の暗殺に成功するヘムロックは、帰国の際にスチュワーデスのジェマイマ(ヴォネッタ・マッギー)と夜を共にする。

目覚めたヘムロックは、ジェマイマの姿が消えていることに気付く。

そして報酬の2万ドルと美術品の保証書もなくなっていた。

ジェマイマは諜報機関のエージェントで、ドラゴンの差し金だったのだ。

怒ったヘムロックはドラゴンのもとに乗り込み抗議するが、ドラゴンは返却と報酬の上乗せにもう一人の暗殺をヘムロックに依頼する。

断ろうとするヘムロックだったが、殺された諜報員がアンリ―・パックというかつての命の恩人であること、そして今回の事件に、かつて戦場で自分を裏切ったマイルズ・メロー(ジャック・キャシディ)が関係していると知らされ、依頼を引き受けた。

ドラゴンから「犯人は片足が不自由な男で、国際親善のアイガー登山に参加する」との情報を得たヘムロックは、友人の登山家ベン・ボウマン(ジョージ・ケネディ)のもとを訪れ、登山の訓練をはじめる・・・。

スタントなし! イーストウッドの山岳スパイ・アクション『アイガー・サンクション』

スパイ映画のなかでも珍しい山岳アクションもので、登山のなかでも最難関の一つ、アルプスの一峰、アイガー北壁が後半の舞台となる。

前半はイントロダクションの通り、諜報機関に振り回される主人公だが、この諜報機関の親玉ドラゴンの設定がまたスパイものらしく凝っている。

ドラゴンはアルビノで、目の光彩にも色素がないため、常に地下の暗室の中でしか活動できない。

また病弱なため常に看護を必要としている。

だが絶大な権力を有しており、優れた頭脳で数々のスパイを手足のように使うのだ。

足を洗ったはずのヘムロックも、このドラゴンにはなんども煮え湯を飲まされる。

さて山岳アクションものの本番は、映画も中盤に差し掛かったところから始まる。

アイガーにアタックするための訓練として、モニュメントバレー(アメリカ合衆国西南部のユタ州南部からアリゾナ州北部にかけて広がる赤い大地。独特の孤立岩やメサと呼ばれる岩山が群立する)の地が選ばれる。

そこでの今でいうところのロッククライミングや、重りを背負っての長距離走破をする。

また本番のアイガーも、実際のスイス、アイガーをロケ地にしている。

アイガー北壁は断崖絶壁と呼ぶのがふさわしい難関中も難関で、作中でも主人公ヘムロックは過去二回アタックして、二回とも失敗したという設定がある。

これら美しくも厳しい大自然に主人公ヘムロックは挑戦するのであるが、演じるクリント・イーストウッドは、スタントなしで挑んでいる。

リアリティあふれる、息詰まる登山シーンに括目してほしい。

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