『砂漠の鬼将軍』
1951年アメリカ
原題:The Desert Fox: The Story of Rommel
監督:ヘンリー・ハサウェイ
脚本:ナナリー・ジョンソン
原作:デズモンド・ヤング『砂漠の狐ロンメル』
音楽:ダニエル・アンフィシアトロフ
出演:ジェームズ・メイソン
セドリック・ハードウィック
ジェシカ・タンディ
ウィリアム・レイノルズ
ルーサー・アドラー
エヴェレット・スローン
レオ・G・キャロル
ジョージ・マクレディ
リチャード・ブーン
エデュアルド・フランツ
ダン・オハーリー
ジョン・ホイト
デズモンド・ヤング(本人役)
『砂漠の鬼将軍』イントロダクション
時は1941年、真珠湾攻撃の1か月前。
11月の夜11時。
北アフリカのリビア沖に英国の潜水艦が浮上した。
ドイツ軍を倒すためだ。
潜水艦から降ろされたゴムボートに工作員が乗り込み、陸からの誘導に従って闇夜の岸に向かった。
この用意周到な作戦の目的はある男の殺害だった。
工作員たちは音も立てずある屋敷に近づき、忍び込むと、警備のドイツ兵を射殺、屋敷内に乗り込んだ。
だが、ある程度のところで反撃にあい、工作員たちは撤退する。
ひとりの工作員がけがを負い、ドイツ兵に捕獲された。
工作員は尋ねる「やつは死んだか?」
ドイツ兵は答えた「残念だな、英国兵」
1942年6月、北アフリカの砂漠。
戦闘に敗れ、多くの英国兵がドイツアフリカ方面軍に捕えられ、捕虜となった。
そこで英国中佐デズモンド・ヤングは、はじめてその男の姿を見る。
その男こそがロンメル・・・エルヴィン・ヨハネス・オイゲン・ロンメル元帥。
第1次大戦以降で最も名高いドイツ軍の司令官である。
砂漠の伝説であり、北アフリカ中で敵を狩り“砂漠の狐”として知られた。
用いる戦術は常に巧みで、敵の英国軍すら舌を巻くほどだった。
知らず知らず、ヤング中佐はロンメル将軍に敬礼した・・・。
第2次大戦下の北アフリカで“砂漠の狐”と呼ばれたドイツの勇将ロンメル将軍を名匠ヘンリー・ハサウェイ監督が描く戦争映画『砂漠の鬼将軍』
第2次世界大戦で“砂漠の狐”と呼ばれ、連合軍から恐れられたドイツの勇将ロンメル将軍の悲劇を描いた戦争ドラマ。
北アフリカでの戦況が悪化する中、ロンメル将軍は、最前線の悲惨な状況をかえりみようともしない上層部に憤りを感じていた。
やがてロンメルはヒトラーの暗殺計画に加担するが・・・。
イギリスの名優ジェームズ・メイスンがロンメルを熱演。
監督は、数々の西部劇などで知られる名匠ヘンリー・ハサウェイ。
映画の邦題は『砂漠の鬼将軍』と勇ましいが、作品中のロンメルは常に悩み苦しむ一人の将校として描かれている。
戦闘シーンには実際の第2次世界大戦のフィルムが使われていたりしてリアリティを演出しているが、ロンメルが戦闘指揮を執って戦うようなシーンはほとんどない。
先ほども述べたように、ロンメルは上層部や同僚に、そして時にはヒトラー本人に前線の状況を進言し、苦言を呈してなんとか状況を改善しようとする、現代の中間管理職の悲哀のような描かれ方をしている。
実際に第二次大戦に参加、ロンメルの捕虜となったデズモンド・ヤングが敵味方問わず関係者に徹底的に取材して書いた手記『砂漠の狐ロンメル』を原作としており、戦争ものの映画というより、ロンメルのドラマを中心としたドキュメンタリとしての印象が強い。
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