映画評『天地創造』旧約聖書の物語を映像化したスペクタクル大作!

ノアの箱舟 映画評
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『天地創造』
1966年アメリカ・イタリア
原題:The Bible: in the Beginning
監督:ジョン・ヒューストン
脚本:クリストファー・フライ
音楽:黛敏郎
出演:マイケル・パークス
   ウラ・ベルグリッド
   ピーター・オトゥール
   ジョン・ヒューストン
   ジョージ・C・スコット

『天地創造』あらすじ

はじめに神は天と地を作った。

地はまだ形もなく混沌としていた。

闇が深淵を覆い、神の霊が水面をうごいていた。

神は言った。 

「ひかりあれ」

すると光が現れた。

神は光と闇を分けた。

光を昼と呼び、闇を夜と名付けた。

夕べと朝があり、第1の日となった。

・・・このようにして神は6日間かけて空と大地を作り、生き物を海と地に繁栄させ、最後に自分の姿に似せて人を作った。

最初の人間アダムとエバである。

神はアダムとエバをエデンの園に住まわせ、生き物たちの管理を任せた。

地上で取れるあらゆる木の実を食べてよいとしたが、しかし、エデンの園の中央に生える「知恵の実」だけは食べてはいけないとした。

だが蛇がエバを誘惑し、知恵の実を食べさせた。

エバはアダムに知恵の実を食べさせた。

二人は自分たちが裸であることに気付き、隠れていると神に見つかり、言いつけを守らなかった罰としてエデンの園から追放された。

アダムとエバ、その子孫たちは神に試され苦難の道を歩み始めた。

アダムとエバの子、カインとアベルの兄弟は神への供物をささげたが、アベルの供物は神に受け入れられ、カインの供物を神は受け入れなかった。

カインはアベルを殺す。

神は大地をアベルの地で穢したとしてカインを罰し、地をさまよう放浪者とした。

カインはエデンの東、ノドに住み、妻を知り、息子をもうけた。

何世代もの間に彼の子孫は増えていった。

彼らは牛飼いや土器の作成、金属の加工などさまざまな技術を覚えていったが、やがて神は、人がひたすら悪事ばかり思いめぐらしていることに心を痛めた。

神は人や獣を創造したことを悔やみ、「人を地上から消し去ろう」と決めた。

アベルとカインに変わる子供として神がエバに授けた子供の子孫にノアという男がいた。

神はノアに命じて、巨大な方舟を造らせるのだった・・・。

旧約聖書の物語を映像化したスペクタクル大作『天地創造』

天地の創造、ノアの箱舟と地上の大洪水、アブラハムの神の試しなど、旧約聖書の「創世記」、第1章の天地創造から22章のイサクの生贄までの物語を映像化したスペクタクル大作が、ジョン・ヒューストン監督の『天地創造』だ。

ジョン・ヒューストンは監督を務める一方、ノア役でも出演している。

旧約聖書の物語を映像化した作品といえば、チャールトン・へストンがモーセ役で出演した『十戒』(1956年)があり、こちらもモーセが海を割るスペクタクルシーンで有名だが、この『天地創造』もノアの方舟のくだりは印象的だ。

特徴的なノアの箱舟のフォルムは、いまだに絵本の挿絵やその他映像作品の映像で引用されているので、この『天地創造』をご覧になっていなくても、ノアの箱舟といえば、この形の舟が思い浮かぶ人が多いのではないだろうか。

前述の7日間の天地創造のくだりからアダムとイブの失楽園、カインとアベルの兄弟殺し、ノアの箱舟と大洪水のあとは、これまた有名なバベルの塔の物語、神の怒りにふれた人々は散り散りになり、やがて「最初の預言者」とされるアブラハムの物語となる。

アブラハムは「信仰の父」とも呼ばれるように、神の試練を乗り越えることで、神の祝福を受け、民族の繁栄を約束される。

壮大な物語絵巻にふさわしい音楽を担当したのは日本人の黛敏郎。

黛敏郎はこの映画でアカデミー賞作曲賞とゴールデングローブ賞作曲賞にノミネートされた。

まあ宗教心抜きにしておおらかに物語を楽しんでみてはいかがだろうか。

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