映画評『フィフス・ウェイブ』正体不明の敵により文明が崩壊した地球、主人公の少女は弟を救うため見えない敵に立ち向かう・・・!

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『フィフス・ウェイブ』
2016年アメリカ
原題:The 5th Wave
監督:J・ブレイクソン
脚本:スザンナ・グラント
   アキヴァ・ゴールズマン
   ジェフ・ピンクナー
音楽:ヘンリー・ジャックマン
出演:クロエ・グレース・モレッツ
   ニック・ロビンソン
   マギー・シフ
   アレックス・ロー
   マリア・ベロ
   マイカ・モンロー
   リーヴ・シュレイバー

『フィフス・ウェイブ』イントロダクション

荒廃した町のコンビニのなか、少女がライフルを構えていた。

その銃口の先に、部屋の隅でやはり少女に拳銃を向ける男性が床にへたり込んでいる。

少女・・・キャシー(クロエ・グレース・モレッツ)は異常におびえているが、気力を振り絞って男に立ち向かっていた。

「銃を下してくれ」男が頼む。

「あなたが先よ」

「・・・わかった」

拳銃をゆっくり床に置く男。

「左手も、出して」

「内臓が飛び出ちまう」

男は確かに、左手を血まみれにして腹部を抑えていた。

「左手を・・・見せて!」

猜疑心に凝り固まったキャシーは、構えたライフルを下すことなく男に命じる。

男はしかたなく、ゆっくりと左手を動かし始める。

キラリ、とその左手のなかで光るものがあった。

武器か、ととっさに思ったときには、キャリーは引き金を引いてしまっていた。

こと切れた男にゆっくり近づき、キャリーは男の左手のなかを確かめる。

そこには、銀に輝く十字架があった・・・。

誰もいなくなった市街を抜け、森に逃げるキャリー。

謎の異星人“アザース”の突然の襲来により、文明は崩壊、異星人に寄生された人間は外見上の見分けはつかず、生き残った人間は誰もが疑心暗鬼に陥っていた。

“アザース”の電磁波攻撃により自動車も使えなくなった今、キャリーは一人、歩いて軍のキャンプに向かっていた。

そこにはたった一人の肉親となってしまった弟のサム(ザカリー・アーサー)が保護されているはずだった・・・。

正体不明の敵により文明が崩壊した地球、主人公の少女は弟を救うため見えない敵に立ち向かう・・・!『フィフス・ウェイブ』

『キック・アス』(2010年)で「ヒット・ガール」役を演じて一躍知名度を上げたクロエ・モレッツが主演。

正体不明の知的生命体の襲撃を受け、文明は崩壊、疫病が蔓延した地球。

生き残った女子高生キャシーが弟を救うため、見えない敵に立ち向かうSFスリラー映画。

タイトルの『フィフス・ウェイブ』は、劇中“アザース”と名付けられた異星人の波状攻撃を意味している。

まずファースト・ウェイブ、第一波は、電磁パルスによる攻撃。

これにより、地球上のあらゆる電子回路を破壊、車や飛行機が動かなくなってしまう。

セカンド・ウェイブ、第二波は地殻変動による地震と大津波で、海辺の都市は壊滅、あらゆる島々が消滅する。

サードウェイブ、第三波は鳥インフルエンザの毒性を強め、人間に感染、治療困難なこのインフルエンザで人々が次々に斃れていく。

フォース・ウェイブ、第四波はアザースによる人間への寄生。

最終攻撃のフィフス・ウェイブ、第五波は、アザースにる子供の操作。

これによりアザースは人類は絶滅をもくろむ。

劇中では第一から第三までは完了しており、ドラマは第四波のなかで進む。

スペクタクルなのは第一波から第三波の攻撃なのだが、ちょいとナレーションと共に紹介される程度で、すぐに終わってしまうので、物足りなさを感じる。

物語の展開もほとんどは主人公のキャシーの孤軍奮闘で、派手なアクションシーンは無く、やはり物足りない。

ラストスパートの、軍の基地への潜入、キャシーの弟の救出劇も、暗闇の中でことは進行し、これが見づらい。

何かやってるなあ、と思っているうちに話が進み、基地を爆破する、というセリフも聞こえてきたが、ドカーンといくシーンがない。

クライマックスに大爆破があってもよさそうなものだったが、期待外れでエンドロールが流れる。

全体的に、静かな映画なのだ。

スリルも、サスペンスも、動的ではなく、静。

物語のプロットや設定からは、動的な映画を期待してしまうので、これはどうもちぐはぐで面白みに欠ける。

興行成績を見ても、本国アメリカでは若干の赤字だったようだ。

これ、クロエ・モレッツのファン以外は見なくてもいいのではないかなあ。

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