映画評『テキサス』アラン・ドロンが西部劇に初挑戦!スペイン貴族の青年とコマンチ族との大騒動を描く良作コメディー!

夕焼けとカウボーイ 映画評
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『テキサス』
1966年アメリカ
原題:Texas Across the River
監督:マイケル・ゴードン
脚本:ウェルズ・ルート
   ハロルド・グリーン
   ベン・スター
音楽:デ・ヴォール
出演:アラン・ドロン
   ディーン・マーティン
   ローズマリー・フォーサイス
   ティナ・マルカン
   ジョーイ・ビショップ
   ピーター・グレイブス

『テキサス』イントロダクション

西部開拓時代。

スペインの貴族ドン・アンドレア・バルタザール(アラン・ドロン)はアメリカ人の富豪の娘フィービー(ローズマリー・フォーサイス)との結婚の日を迎えていた。

だがそこに、フィービーに横恋慕する騎兵隊の男たちが教会にに乗り込んでくる。

すったもんだの乱闘の果てに、騎兵隊のひとりが二階の窓から落ちて死んでしまう。

そして仲間の騎兵隊員のいい加減なウソの証言のため、アンドレアは殺人犯に仕立て上げられてしまった。

こうなっては逃げるしかない、と、アンドレアは騎兵隊が来ない土地、まだその時はアメリカ合衆国になっていなかったテキサスへと馬を走らせる。

フィービーは後から追うことを約束する。

逃亡の途中で立ち寄った町で、開拓民を護衛する武器商人サム・ホリス(ディーン・マーティン)と出会ったアンドレアは、その銃の腕前を見込まれてサムが護衛する幌馬車隊の用心棒に雇われる。

アンドレアはサムの相棒でインディアンの案内人クロンク(ジョーイ・ビショップ)の三人でコマンチ族の居住地区を目指す。

道中、三人はコマンチ族の娘ロネッタ(ティナ・マルカン)を毒蛇から助けるが、アンドレアが毒蛇にかまれてしまう。

傷口から毒を吸出しアンドレアを助けたのはロネッタだったが、ロネッタは自分を助けてくれたのはアンドレアだとして身を捧げてついていくという。

コマンチ族の襲撃を知らせるために先行したサムとクロンクは、幌馬車隊に同行していたフィービーと出会う。

サムは水浴びしていたフィービーを一目見て惚れてしまい、猛烈なアタックを始める。

アンドレアを追う騎兵隊、コマンチ族が激突、アンドレアとフィービー、ロネッタ、サムの恋模様も入り乱れて物語の行方は・・・。?

アラン・ドロンが西部劇に初挑戦!スペイン貴族の青年とコマンチ族との大騒動を描く良作コメディー!『テキサス』

フランス人俳優アラン・ドロンがハリウッドに進出して4作目、そして初の西部劇に挑戦した作品だ。

共演のディーン・マーティンは当時俳優業のほかにも、歌手、ショーの司会者などバラエティ・タレントとして人気者だった。

西部開拓時代を舞台に、スペインから訪れた貴族の青年をアラン・ドロンが演じ、ディーン・マーティン演じる武器商人とちぐはぐなやり取りや奇妙な友情を結ぶ物語だが、たんにそれだけではなく、テキサスという開拓地やネイティブ・アメリカンをうまく使ったコメディになっている。

人間関係も男女4人の恋模様を、シンプルながら冒険に上手に絡めた展開を見せ、意外とこれは、作劇をされる方々にはお手本になるのではないかと思う。

アラン・ドロンのドタバタも喜劇王チャップリンのアクションを参考にしたようなものが見受けられるが、彼のスタイルの良さでまた違ったものに見える。

カッコいい男は何をしてもカッコいいのだ。

劇中で石油が「毒の水」として現れるので気になって調べてみた。

テキサスで石油が発見されるのは20世紀になってからで、アラスカを除けば東テキサス油田がアメリカ合衆国でもっとも豊富な埋蔵量を誇るとのこと。

この「毒の水」についてもちょっとしたジョークが劇中で出てくる。

あちこちで気の利いたアメリカンなセリフが飛び出すシナリオも楽しみたい。

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