映画評『ダーティハリー4』イーストウッド自身が監督・主演を務めたシリーズ一番のヒット作

カチンコ 映画評
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『ダーティハリー4』
原題:Sudden Impact
監督・製作:クリント・イーストウッド
脚本:ジョゼフ・スティンスン
音楽:ラロ・シフリン
出演:クリント・イーストウッド
   ソンドラ・ロック

『ダーティハリー4』イントロダクション

早朝、サンフランシスコの海岸。

見晴らしの良い崖の上にとまった一台の車の中で、ウィルバーン(マイケル・マウラー)という男が股間と頭を銃で撃ち抜かれて殺害される。

犯人は金髪の女性。

彼女はその手に銃を握ったまま姿を消す・・・。

サンフランシスコ市警の殺人課刑事ハリー・キャラハン(クリント・イーストウッド)は、相も変わらずその強引な捜査によって周囲から疎まれていた。

強盗犯は射殺もいとわず、周囲の建物も損壊させる。

そんなハリーは逆恨みから命を狙われるようになり、ハリーがらみの事件が増えてしまった。

頭にきた上司のドネリー警部補(マイケル・キュリー)からしばらく休暇をとるように命じられるが、ハリーはかたくなに拒否する。

結局、殺されたウィルバーンの事件の捜査という名目でサンフランシスコを離れることになる。

ハリーはウィルバーンの出身地サンパウロへと向かった。

サンパウロに到着するやいなや、強盗事件に出くわしたハリーは街中でカーチェイスを繰り広げ、銃撃戦の末に犯人を捕まえる。

あまりの被害に、サンパウロの警察署長ジャニングス(パット・ヒングル)に疎まれてしまうハリー。

しばらくして、ウィルバーンと同じやり口でクルーガー(ジャック・チボー)という男が殺される。

連続殺人だと推理するハリーだが、ジャニングス署長はよそ者で管轄外のハリーを遠ざけようとする。

そんな折、ハリーは一人のミステリアスな金髪の女性ジェニファー(ソンドラ・ロック)と偶然の出会いを果たす・・・。

イーストウッド自身が監督・主演を務めたシリーズ一番のヒット作『ダーティハリー4』(ややネタバレ有)

『ダーティハリー4』はシリーズ一番の興行収入成績を上げ大ヒットとなり、ダーティハリー健在を知らしめた。

監督もイーストウッド自身が務めている。

シリーズ一作目の『ダーティハリー』を彷彿とさせる、陰影を強調した作風はイーストウッドの原点回帰のつもりもあったかもしれない。

音楽が前作のジェリー・フィールディングから、『ダーティハリー』『ダーティハリー2』のラロ・シフリンに戻ったのもそのためか。

80年代のラロ・シフリンは当時はやりのテクノビートを大胆に取り入れたテーマでオープニングを飾っている。

ヒロインを務めるのはソンドラ・ロック。

イーストウッドの恋人として有名だ。

イーストウッドと付き合い始めたのは1976年、イーストウッドが監督だった『アウトロー』の撮影中。

ふたりの交際は1988年まで続くので、この『ダーティハリー4』での共演は、お互いの信頼関係が好調だったころ。

『ダーティハリー4』では二人の息の合った演技も見どころだ。

今回のハリーが戦うのは、凶悪犯でもなければ犯罪組織でもない。

捜査上、あくどい犯罪者たちと、いつも通りの派手な捕り物を繰り広げるが、今回ハリーの前に立ちはだかるのは、倫理観である。

事件はある出来事の復讐に走る女性=ジェニファーによって引き起こされる。

法的に逃れてしまった犯罪者たちをジェニファーは許さないのだ。

私的な復讐をハリーと44マグナムは許すのか。

それはハリーの犯罪者への向き合いかたと根は同じなのではないか?

毎回、アメリカの抱える社会の闇を描く『ダーティハリー』シリーズ、今回はイーストウッド監督らしい、シリーズの中でもひときわウェットな仕上がりになっている。

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