映画評『白い恐怖』巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督が、記憶喪失に陥った男と、男を救おうとする女医を描くサイコ・サスペンス

映画館 映画評
スポンサードリンク

『白い恐怖』
1945年アメリカ
原題:Spellbound
監督:アルフレッド・ヒッチコック
脚本:ベン・ヘクト
   アンガス・マクファイル
原作:フランシス・ビーディング『The House of Dr. Edwardes』
音楽:ミクロス・ローザ
出演:イングリッド・バーグマン
   グレゴリー・ペック
   レオ・G・キャロル
   マイケル・チェーホフ
   ロンダ・フレミング
   

『白い恐怖』イントロダクション

アメリカのバーモント州にあるグリーンマナー精神科医院。

多くの精神患者のひとりの女性患者が、女医のコンスタンス・ピーターソン(イングリッド・バーグマン)の診察を受ける。

その患者は看護師の男性を誘惑するそぶりをみせながらも、コンスタンスには自分が男嫌いになった経験を語る。

それを聞くコンスタンスも同様に自他ともに認める男嫌いで、仕事に熱中していた。

そんなグリーンマナー医院の院長マーチソンがストレスを理由に辞め、代わりにエドワーズ(グレゴリー・ペック)という若い博士がやってくる。

食事会で初めてエドワーズを見たコンスタンスは、彼に一目ぼれしてしまった。

食事会の話題のなかで、施設内にプールを作ろうという話になった時、コンスタンスは一つのアイデアを説明するためにナプキンの上にフォークである模様を描く。

その模様を見たエドワーズは、急に恐怖に駆られたように落ち着きをなくす。

その場では落ち着きを取り戻したエドワーズだったが、彼がナイフでコンスタンスが書いた模様を執拗に消すのを、コンスタンスは目撃する。

それからグリーンマナー医院での日常はしばらくのあいだはこれまでと変わりなく続き、コンスタンスもエドワーズと同僚としての仲を深めていく。

ある夜、自分の気持ちを抑えかねたコンスタンスは、ついにエドワーズの部屋を訪ねる。

コンスタンスの気持ちに気づいていたエドワーズも、彼女の愛に応えようとするが、コンスタンスが来ていたガウンの模様を見るや、またもや様子がおかしくなり、コンスタンスを追い返してしまう。

次の日、手術を行おうとしたエドワーズが突然失神してしまう。

彼を解放したコンスタンスは、エドワーズが以前彼女に渡したメモのサインと、エドワーズの著書に記されたサインの筆跡が違うことに気が付き、コンスタンスはエドワーズに詰め寄る。

だが、エドワーズはどうやら記憶喪失に陥っっているらしく、言うことがはっきりしない。

エドワーズのタバコケースを見ると、J.B.とイニシャルがあり、エドワーズの実名はそのJ.B.のようだった。

正体がばれたJ.B.は置手紙を残して逃亡を図るが、コンスタンスは彼を追いかけ、強引に彼女の恩師、ブルロフ博士(マイケル・チェーホフ)のもとへ連れていく・・・。

巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督が、記憶喪失に陥った男と、男を救おうとする女医を描くサイコ・サスペンス『白い恐怖』

記憶喪失に陥ったため不審な行動をとる男にグレゴリー・ペック。

その彼を救おうと奮闘する、恋愛には奥手だった美人女医にイングリッド・バーグマン。

そしてサスペンス映画の神様、巨匠アルフレッド・ヒッチコックが監督という、間違いないメンツがそろった豪華な作品。

さらに劇中の不安定な主人公の心理描写をあらわすために、シュールレアリスムの代表的芸術家サルバドール・ダリが協力したシーンは、観る者を一気に不安に満ちた幻想的な世界へ引きずり込む。

精神心理学を軸に構成されたドラマは、最初些細な病癖から始まり、男性の記憶喪失から、殺人事件へ、そして先の読めない心理事件に展開する。

また恋愛要素も多く、二人の行く末が気になる。

イングリッド・バーグマン最盛期の一本であり、その美しさに括目。

こちらの作品もどうぞ!
≫映画評『めまい』巨匠ヒッチコックの最高傑作ともされるサスペンス・ミステリー!

コメント

タイトルとURLをコピーしました