映画評『スピード』5分に1度のクライマックス!キアヌ・リーブスの出世作!

映写機 映画評
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『スピード』
1994年アメリカ
監督:ヤン・デ・ボン
脚本:グレアム・ヨスト
出演:キアヌ・リーブス
   デニス・ホッパー
   サンドラ・ブロック

『スピード』イントロダクション

ロサンゼルスの高層オフィスビルで、エレベーターに爆弾が仕掛けられ、乗客たちが人質に取られる事件が起きる。

SWAT隊員ジャック(キアヌ・リーブス)は、あわやというところで乗客たちを救助し、犯人のペイン(デニス・ホッパー)もあと一歩というところまで追い詰めるが、逃げられてしまう。

ペインはジャック逆恨みし、次の事件を計画する。

ダウンタウン発の路線バス2525号に爆弾を仕掛けたペインは、ジャックに挑戦状をたたきつける。

路線バスに仕掛けられた爆弾は、時速80キロを下回ると爆発するという。

また乗客を一人でも降ろすことは不可。

ジャックは単身、走行中の2525号バスに飛び移る。

猛スピードで走行中のバスのなか、乗客全員も人質に取られた状況で、ジャックとペインの駆け引きが始まる・・・!

ヤン・デ・ボンの監督デビューにしてキアヌ・リーブスの出世作

『スピード』。

タイトル通りスピード感にあふれた作品だ。

5分に1度はクライマックスが訪れるといっても過言ではない。

監督デビュー作でこの作品を緊迫感の連続するフィルムに仕立てられたのには、ヤン・デ・ボンの経歴がものを言っている。

『ダイ・ハード』(1988年)、『ブラック・レイン』(1989年)、『レッド・オクトーバーを追え!』(1990年)『氷の微笑』(1992年)などで撮影監督を務めている。

どの作品もカメラワークがダイナミックかつスピーディ、そして時にはエモーショナル。

『スピード』を撮った時にはすでに作風が出来上がっていたともいえる。

『スピード』撮影時のヤン・デ・ボンの年齢も、41歳くらいだから、ある程度、型のようなものは固まっていたのかもしれない。

そのせっかくの手腕も、後の監督作が『ツイスター』(1996年)、『スピード2』(1997年)、『ホーンティング』(1999年)、『トゥームレイダー2』(2003年)と寡作なのがもったいない。

『マトリックス』シリーズや『ジョン・ウィック』でいまや押しも押されぬハリウッドスターのキアヌ・リーブスも、この作品が出世作だ。

改めて見返すと、「すごいフレッシュ」

まだ青二才感の残る、ちょうど本作の主人公ジャックを演じるにぴったりの風合い。

少しあどけなさが残る無国籍な顔立ちに、ワイルドなアクションを颯爽とこなすたたずまいは、この時代のキアヌにしかない魅力だ。

『マトリックス』のアクションも確かにすごいとは思うけれども、あれはどちらかといえばCGにびっくりのアクションなわけで、そういう意味では『スピード』ではまだキアヌの生のアクションが見られるのがうれしい。

忘れてはいけないのが助演のデニス・ホッパー。

名優が今回はサイコパスな爆弾魔という怪役を演じている。

さわやかなキアヌと好対照だ。

『スピード』という作品は、当時下火になりかけていたハリウッド・アクション映画を再びイグニッションした大当たり作品だったのだが、アカデミー賞では録音賞と音響編集賞しか受賞ていない。

(編集賞くらいあげてもよさそうなものだが・・・と思って調べたら、そちらは英国アカデミー賞で受賞していた)

今回改めて鑑賞して、21世紀の今でもカメラワーク、編集、緊迫感、シナリオワーク等、なんの遜色もない。

時間つぶしだろうが、本気で鑑賞だろうが、安心して(?)チョイスできる良作である。

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