映画評『恐怖の報酬』「エクソシスト」の巨匠ウィリアム・フリードキン監督が、危険なニトログリセリンを運ぶ男たちを描くサスペンス超大作!

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『恐怖の報酬』
1977年アメリカ
原題:Sorcerer
監督:ウィリアム・フリードキン
脚本:ウォロン・グリーン
原作:ジョルジュ・アルノー『Le Salaire de la peur』
音楽:タンジェリン・ドリーム
   キース・ジャレット
   チャーリー・パーカー
出演:ロイ・シャイダー
   ブリュノ・クレメール
   フランシスコ・ラバル
   アミドウ
   ラモン・ビエリ

『恐怖の報酬』イントロダクション

メキシコの街ベラクルス

ひとりの男がホテルの一室から広場を眺めていたところに、殺し屋ニーロ(フランシスコ・ラバル)が現れ、男は射殺される。

ニーロは何もなかったかのようにエレベーターで降りると、ホテルを去る。

エルサレム。

アラブ系の3人の若者がやってきた乗り合いバスに乗る。

彼らが座っていた銀行の前にはバッグが一つ、置き忘れられている。

バスが発車して間もなく、バッグが爆発し、あたりは大惨事となる。

若者たちはテロリストだったのだ。

彼らはアジトで逃走の相談をするが、さっそく軍に嗅ぎつけられ、特殊部隊が突入、カッセム(アミドウ)ただ一人だけが逃げ延び、群衆の中に消えていった。

フランス、パリ。

投資家のビクトル・マンソン(ブリューノ・クレメール)は、証券取引所の頭取から不正取引を追及される。

告発まで24時間の猶予をもらったマンソンは、資産家の出である共同事業者に、彼の父に損失金を保証してもらうよう交渉するよう要求するが、その共同事業者は、「父にはねつけられた」と車で拳銃自殺してしまう。

マンソンはセラーノと名前を変え逃亡生活に入った。

アメリカニュージャージー州エリザベス。

ビンゴを開催していた教会に押し入ったスキャンロン(ロイ・シャイダー)たち4人の男。

うちひとりが、神父を撃ってしまう。

神父の兄でありマフィアのボス、カルロ・リッチはスキャンロンたちの抹殺を命じる。

当のスキャンロンたちは逃亡の最もめごとになり、スキャンロンが運転する自動車が大型トレーラーに衝突、かろうじてスキャンロンだけが生き残る。

スキャンロンは友人ヴィニーの手引きで海外へ逃亡し、ドミンゲスと名を変える。

南米、独裁政権下のポルヴェニール。

この密林に囲まれた街に、カッセム、セラーノ、ドミンゲスは住み着いていた。

またニーロもこの国に入国を果たす。

ある日奥地にある油田で反政府ゲリラが爆破テロを起こし、油田は炎を噴き上げる。

石油会社の支配人(ラモン・ビエリ)は、消火するには大量の爆薬で炎を吹き飛ばすしかないと判断する。

だが倉庫には劣化して少しの衝撃で大爆発を起こしかねないニトログリセリンしかない。

そこで会社は多額の報酬を条件にニトロの運搬者を募集、選出する。

選ばれたのは、ドミンゲス、セラーノ、カッセム、ニーロの4人だった・・・。

「エクソシスト」の巨匠ウィリアム・フリードキン監督が、危険なニトログリセリンを運ぶ男たちを描くサスペンス超大作!『恐怖の報酬』

あのホラー映画の傑作「エクソシスト」の巨匠ウィリアム・フリードキン監督が、フランスの同名映画をリメークしたサスペンス超大作。

南米奥地の油井で起きた火災を鎮火させるため、1万ドルの報酬と引き換えに、危険なニトログリセリンをトラックで運ぶ仕事を請け負った4人の男たちを臨場感あふれる映像と迫力の演出でスリリングに描く。

随所にフリードキン節ともいえるカメラ回しや色遣いがうかがえ、ファンなら傑作と銘打つだろう。

難点は、物語の本筋に入るまで、4人の男たちのそれぞれの紹介に40~50分、たっぷりかけているため、何の映画だったっけ? とわからなくなることだ。

だが残りの1時間で起こる様々な難関、それを乗り越える男たちの緊張感を描く演出はまさに手に汗握る。

オチもまた驚愕的なので最後まで気が抜けない。

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