『山猫は眠らない3 決別の照準』
2004年アメリカ
原題:Sniper 3
監督:P・J・ピアース
脚本:J・S・カーダン
ロス・ヘルフォード
音楽:ティム・ジョーンズ
出演:トム・ベレンジャー
バイロン・マン
ジョン・ドーマン
デニス・アーント
『山猫は眠らない3 決別の照準』
アメリカ海兵隊への現役復帰を果たしていた伝説の狙撃手トーマス・ベケット(トム・ベレンジャー)だったが、海兵隊の雰囲気は昔とはすっかり変わってしまっていた。
訓練でもベケットは上官の狙撃中止命令を無視しターゲットを狙い撃つも、上官からは激しく叱責される。
ある日、ベケットはベトナム戦争で戦死した英雄で、命の恩人でもあるポール・フィネガン(ジョン・ドーマン)の息子ニール(ケン・ストレアットカー)の結婚式に出席する。
ニールは立派に成長しており、将来の大統領候補とももくされる前途有望な若手政治家になっていた。
その席上でベケットは、生前フィネガンから預かったニール宛の手紙を読み上げる。
ベケットにとって、フィネガンは、家族ぐるみの付き合いをしていた親友でもあった。
現在ではフィネガンの妻で医師のシドニー(ジーネッタ・アーネット)とベケットは適切な距離を保ちながらも、互いに愛し合う関係になっていた。
シドニーはベケットが以前の作戦で負った利き指の古傷を心配していた。
後日、ベケットはNSA(国家安全保障局)のエイブリー副局長(デニス・アーント)から新たな任務を告げられる。
ターゲットの顔写真を見たベケットは驚きを隠せなかった。
なぜならそれは死んだはずのフィネガンだったのだ。
フィネガンは生きていて、戦後もベトナムにとどまり、イスラム過激派と共謀して麻薬と兵器の密輸に関与しているというのだった。
フィネガンを放置すれば、息子ニールのキャリアにも傷がつく。
ベケットはためらいながらも、このフィネガン抹殺の任務を引き受ける。
ベトナム、ホーチミン市。
この街で麻薬密売組織を追っているホーチミン警察のクアン刑事(バイロン・マン)は、警察には内密にNSAの連絡んもしており、今回フィネガン狙撃をNSAに手配したのもクアンだった。
ホーチミンに入ったベケットはクアンから狙撃用ライフルを受け取ると、フィネガンが現れる予定のナイトクラブを一望できるビルの屋上で狙撃準備に入る。
はたして夜の10時、クラブにフィネガンが現れ、ベケットはライフルのスコープで標的を確認、照準を合わせ、引き金にその指をかけるが・・・。
伝説の狙撃手ベケットに下った新たなミッション、それは悪に堕ちたかつての戦友の抹殺!『山猫は眠らない3 決別の照準』
今回のベケットの任務地は、かつての因縁の土地ベトナム。
そして標的は親友でもあり、命の恩人でもあった戦友。
だがその戦友は麻薬組織のボスに悪堕ちしていた。
軍から受けた抹殺命令を守るのか、それとも戦友との絆か、ベケットに究極の選択が迫られる。
好評シリーズの第三弾では、伝説の狙撃手ベケットは単独でスナイパーの任務にあたる。
相棒役はこれまでのような観測手ではなく、現地の若い刑事。
この刑事役をバイロン・マンが演じており、キレのある体を張ったアクションも見どころ。
この『山猫は眠らない3 決別の照準』は、主演のトム・ベレンジャーが主演を務める最後の作品でもある。
次回作から主役を張るのは、ベケットの息子、若きスナイパー・ブランドンが登場する。
そして第5作ではこのブランドンの前に父、トーマス・ベケットとしてトム・ベレンジャーが再登場、という熱い展開も待っているが、またそれは別の話し。
トム・ベレンジャーもさすがにこの三作目まで来ると、前二作のようなビリビリした精悍さが顔から薄れてくるが、それを補って有り余るスナイプ・アクションが待っている。
とくにベケットのラスト・シューティングには興奮を掻き立てられる。
シリーズを通してのミリタリー設定のリアルさも健在だ。
なんとなく手を出して、パッと観て、「ああ、面白かった~」となって、後に何も残らない、そんな産業映画っぷりも同様に健在。
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