映画評『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』アル・パチーノがアカデミー主演男優賞に輝いた、孤独な盲目の退役軍人と心優しい青年の心の交流を描いたヒューマン・ドラマ!

映画館 映画評
スポンサードリンク

『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』
1992年アメリカ
原題:Scent of a Woman
監督:マーティン・ブレスト
脚本:ボー・ゴールドマン
原作:ジョヴァンニ・アルピーノ『闇と蜂蜜』
音楽:トーマス・ニューマン
出演:アル・パチーノ
   クリス・オドネル
   ジェームズ・レブホーン
   ガブリエル・アンウォー
   フィリップ・シーモア・ホフマン
   ニコラス・サドラー
   サリー・マーフィ
   ブラッドリー・ウィットフォード
   リチャード・ヴェンチャー
   ジーン・キャンフィールド
   ロン・エルダード
   フランセス・コンロイ

『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』イントロダクション

アメリカのボストン。

ここにある全寮制の名門高校に通うチャーリー・シムズ(クリス・オドネル)は、奨学金で入学した苦学生だ。

裕福な家庭の子息ばかりの級友たちとの学校生活は、どこかなにか違う、という感覚を味わいながらも、チャーリーは毎日を過ごしていた。

クリスマスも近くなったが、故郷オレゴンへ帰るための旅費は稼ぐしかないチャーリー、あるアルバイトを見つける。

それはある夫人からの依頼で、家族が旅行で不在のあいだ、盲目の叔父フランク・スレード(アル・パチーノ)の世話をしてほしい、というものだった。

しかし、退役軍人のフランク中佐はたいへんに気難しい性格で、周囲の誰をも拒絶し、家の離れでひとりで生活をする毒舌家でエキセントリックな男性だった。

初対面からチャーリーは激しくののしられ困惑するが、報酬の割の良さと、フランク中佐の姪カレン(サリー・マーフィ)の熱心な懇願もあり、引き受けることにする。

感謝祭の休暇の直前。

チャーリーと友人のジョージ(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、学友たちが校長トラスク(ジェームズ・レブホーン)の愛車ジャガーXJSにイタズラを仕掛けているところに遭遇する。

翌日そのイタズラは大成功をおさめ、校長は生徒たちの面前で大恥をかく。

これに激怒した校長は、目撃者であるチャーリーとジョージに直々に尋問する。

だがジョージは犯人グループと日頃から親しくしており、知らんぷりを決め込む。

校長はチャーリーに対しては、犯人たちの名前を明かすならハーバード大学への推薦、断れば退学の二者択一を迫り、

感謝祭休暇後に回答するように言う。

こうしてチャーリーは同級生を売るか、黙秘して退学するかで苦悩しながら休暇に入ることになった。

そうしてチャーリーはアルバイトのため再びフランク中佐のもとを訪れる。

だがフランクは、家族が旅行に旅立った途端に自らの想いでの街ニューヨークに行く準備をはじめ、チャーリーはお供することになる。

ニューヨーク行の飛行機のファーストクラスに乗り込み、贅沢な時間を過ごすフランクとチャーリー。

しかしチャーリーの頭には校長の言葉が残り、どうも気持ちが冴えない。

そんなチャーリーの話を聞き、フランクは「君の人生教育の始まりだ!」といって上機嫌になる・・・。


アル・パチーノがアカデミー主演男優賞に輝いた、孤独な盲目の退役軍人と心優しい青年の心の交流を描いたヒューマン・ドラマ!『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』

アル・パチーノが盲目の退役軍人を熱演し、5度目のノミネートにして初のアカデミー賞男優賞を獲得した記念すべき作品。

のちに同じくアカデミー賞男優賞を獲得することになるフィリップ・シーモア・ホフマンが、本作ではクリス・オドネル演じる主人公の同級生として出演しており、父親の権威に泣きつく学生を好演している。

また原作(ジョヴァンニ・アルピーノの小説『闇と蜂蜜』)を同じくする1974年のイタリア映画『女の香り』では、ヴィットリオ・ガスマンが退役軍人の役を演じて同年のカンヌ映画祭男優賞を受賞するなど、フランク中佐という劇中の人物がいかに魅力的かがわかる。

またそれだけに、並々ならぬ演技力が求められるのであるが。


こちらの作品もどうぞ!
≫映画評『シャイン』オーストラリアの天才ピアニスト、デビッド・ヘルフゴットの波乱に満ちた半生を描く、実話をもとにした感動作!ジェフリー・ラッシュがアカデミー賞男優賞を受賞した

コメント

タイトルとURLをコピーしました