映画評『RONIN』アクションの巨匠J・フランケンハイマー監督が壮絶な男たちの戦いを描くクライム・アクション!

ピストル 向けられた銃口 映画評
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『RONIN』
1998年アメリカ
原題:Ronin
監督:ジョン・フランケンハイマー
脚本:J・D・ザイク
   リチャード・ウェイズ
音楽:エリア・ツミーラル
出演:ロバート・デ・ニーロ
   ジャン・レノ
   ナターシャ・マケルホーン
   ステラン・スカルスガルド
   ショーン・ビーン
   ジョナサン・プライス

『RONIN』イントロダクション

冷戦が終わって間もないパリ。

一軒の閉店間際の酒場。

謎の女ディアドラ(ナターシャ・マケルホーン)のもとに、5人の男たちが集められた。

彼らは皆、国や組織に縛られないフリーの仕事人たち。

ディアドラの依頼する仕事内容は、ある男から銀色のケースを奪うこと。

ケースの中身は何なのか知らされなかった。

契約金は各自、週に5千ドルずつ、仕事の期間は最低でも4週間。

成功報酬はひとりにつき2万ドル。

そうディアドラは提示した。

集められた男たちのうち、サム(ロバート・デ・ニーロ)はディアドラを含め仕事の準備と仲間の吟味を始める。

資材調達はヴァンサン(ジャン・レノ)の担当だった。

雑談を装いサムは電子機器担当のグレゴール(ステラン・スカルスガルド)の前でコーヒーの入ったコップを机から落とす。

グレゴールは見事にこれをつかんで、衰えていないことをアピールした。

襲撃計画立案中に底の浅さを露見させてしまったスペンス(ショーン・ビーン)はクビになり、仕事は4人で行わなければならなくなる。

人員の追加を求めるサムだったが、ディアドラも依頼主からこれ以上は引き出せないようだった。

サムはケースの中身を知りたがったが、ディアドラはかたくなに言おうとしない。
 
仕方なく残りの4人で襲撃の綿密な計画を練る。

襲撃場所はニース。

現場の事前調査も済ませ、ケース強奪計画は実行に移された。

計画は成功するかに思われたが、グレゴールが突如裏切り、ケースを持ち逃げする・・・。

アクションの巨匠J・フランケンハイマー監督が壮絶な男たちの戦いを描くクライム・アクション!『RONIN』

タイトルは『RONIN』、すなわち「浪人」からきている。

東西冷戦の終結により、よるべを失ったスパイや諜報部員たちになぞらえてのタイトルである。

銀色のケースを巡り、奪い奪われ、敵味方が入り乱れてのサスペンスが繰り広げられる。

監督のジョン・フランケンハイマーはアクション映画を得意としているが、今作では特にカーチェイス・シーンが迫力満点。

それもそのはず、フランケンハイマーといえば、1966年の迫力のF1映画『グラン・プリ』の監督でもある。

フランケンハイマー自身が元アマチュア・レーシングドライバーだったこともあり、時には自ら車を運転してのカーチェイス・シーンは迫真である。

またこの映画は、主演がロバート・デ・ニーロであることに加え、ジャン・レノが共演していることでも話題になった。

デ・ニーロはこの映画の約3年前に『ヒート』(1995年)でアル・パチーノと共演、その時もエキスパートの犯罪集団のリーダー役を演じており、今回の『RONIN』のサムとやや似た役回り。

演者としてのキャリアもあり、アクションシーンも含め、堂々とした演技は見ていて安心感がある。

ジャン・レノは『レオン』(1994年)で世界的にブレイクして以来、ハリウッドの仕事が急増、『フレンチ・キス』(1995年)でメグ・ライアンと、『ミッション:インポッシブル』(1996年)でトム・クルーズと共演、この『RONIN』でデ・ニーロ、と着実に実績を重ねた。

今回の『RONIN』ではデ・ニーロの相棒役を、安定したジャン・レノ節で渋く演じる。

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