『猿の惑星』
1968年アメリカ
原題:PLANET OF THE APES
監督:フランクリン・J・シャフナー
脚本:マイケル・ウィルソン
ロッド・サーリング
原作:ピエール・ブール
音楽:ジェリー・ゴールドスミス
出演:チャールトン・ヘストン
ロディ・マクドウォール
キム・ハンター
モーリス・エヴァンス
ジェームズ・ホイットモア
ジェームズ・デイリー
リンダ・ハリソン
『猿の惑星』イントロダクション
一隻の宇宙船が6カ月の宇宙飛行の任務を終了し、地球への帰還の途に着いていた。
搭乗する宇宙飛行士は4人、そのうち三人はコールドスリープに入っており、残る一人、船長のジョージ・テイラー(チャールトン・ヘストン)もその準備にとりかかかっていた。
ハスライン教授の理論により準光速航行の宇宙船の船内の時間と地球の経過時間は異なる。
宇宙船の二つのカレンダーは、現在が船内時間が1972年7月14日、地球時間が2673年3月23日であることを示していた。
テイラー船長は700年の時間差に思いをはせつつ、自分に睡眠薬を注射し、コールドスリープに入った。
何らかのトラブルが発生し、宇宙船がとある惑星の湖上に不時着水した。
着水と同時にコールドスリープのベッドが自動的に開き、テイラー、トーマス・ドッジ(ジェフ・バートン)、ジョン・ランドン(ロバート・ガンナー)の三人は目を覚ます。
残りの女性宇宙飛行士マリアン・スチュアート(ダイアン・スタンレー)はコールドスリープ装置の故障により、干からびたようになって死亡していた。
外気を確認すると、幸いにもその惑星は地球と非常によく似た環境であることがわかり、三人は急ぎ、宇宙船から出ることを決める。
テイラー、ドッジ、ランドンの三人は、沈みゆく宇宙船からゴムボートで離れ、川をさかのぼり、荒涼とした土地に足を踏み込む。
行く手に現れたオアシスで、つかの間の息抜きで三人は水浴びをする。
と、衣服や宇宙船から持ち出した物資を、何者かに盗まれてしまった。
そのあとを追いかける一行の前に現れたのは、原始人のような人間の群れが追いかけまわされているところであった。
そして人間たちを追い廻しているのは、なんと銃で武装し、馬にまたがった猿の騎兵たちだった。
猿たちはチームワークを組み、人間たちを追い詰めていく。
ドッジは射殺されてしまい、テイラーとランドンは原始人たちと共に捕縛される。
テイラーはその際、首に重傷を負い、声が出せなくなってしまう。
テイラーはそのまま意識を失ったが、やがて気が付くと、そこは大勢の人間が飼育されている動物病院で、テイラーは輸血を受けていた・・・。
寓意と皮肉に富み、あっと驚く結末を迎えるSF映画の名作!『猿の惑星』
フランスの作家ピエール・ブールの同名SF小説を原作とする、SF映画の古典の一本。
猿が人間を支配するという、それまでに類を見ない斬新かつショッキングな設定とストーリー展開、そして人間社会への風刺をこめた作風で高い評価を得ている。
猿の惑星にも階級があり、ゴリラは体が大きく行動的で単純、オランウータンは記憶力に優れ決められた仕事には有能だが想像力に乏しく、チンパンジーは小柄だが知的かつ創造的、と描き分けられ、地球上の人種に対するステレオタイプな見方がパロディとして反映されている。
映画は本作『猿の惑星』の大ヒットを受け、続編である『続・猿の惑星』、『新・猿の惑星』、『猿の惑星・征服』、『最後の猿の惑星』と5本に渡り製作され、そのどれもが寓意に富み、アイロニカルな内容なので、機会があればご視聴いただきたい。
また2001年にリメイクがなされ、こちらも数本シリーズ化された。
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