映画評『汚名』巨匠アルフレッド・ヒッチコックがアメリカとナチスのスパイ戦、大人の恋愛を華麗な演出で描く傑作サスペンス

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『汚名』
1946年アメリカ
原題:Notorious
監督:アルフレッド・ヒッチコック
脚本:ベン・ヘクト
音楽:ロイ・ウェッブ
出演:ケーリー・グラント
   イングリッド・バーグマン
   クロード・レインズ
   レオポルディーネ・コンスタンチン
   ルイス・カルハーン
   アレクシス・ミノティス
   ラインホルト・シュンツェル
   

『汚名』イントロダクション

1946年4月24日、午後3時20分。

フロリダ州南部地区の地方裁判所にて、ヒューバーマンは懲役20年を言い渡される。

罪状はナチスに協力したスパイとしてだ。

その裁判を傍聴していたヒューバーマンの娘アリシア(イングリッド・バーグマン)は、記者たちの質問攻めをすり抜け、裁判所から出た。

その夜、アリシアは親しい友人たちを招待してホームパーティを催す。

パーティーでアリシアはまるでやけ酒のように深酒し、酔っぱらう。

そのパーティのなかに、一人静かにグラスをかたむける男デブリン(ケーリー・グラント)がいた。

アリシアは相当に酔っていたが、デブリンを車で送ると言い、デブリンはおとなしく助手席に座った。

アリシアの運転は酔いと同じく荒く、途中白バイ警官に見つかり、車を止められる。

二度目の飲酒運転は逮捕、監獄送りだと観念したアリシアだったが、デブリンが胸元から取り出した手帳のような何かを警官に見せると、警官は素直に引き下がっていった。

アリシアは、そんなデブリンを警官の手先だと誤解し、腹を立てるが、今度はデブリンが力づくで運転を代わり、アリシアを自宅に送り届けた。

翌朝、二日酔いのなかで目が覚めたアリシアに、デブリンが声をかける。

デブリンに対してまだ疑いの目を向けるアリシア。

デブリンは素直に自分がFBI捜査官であること、アリシアの父親が関係したナチスのスパイを探るため、協力をしてほしい、と持ち掛けた。

そして、アリシアの父親が、毒をあおって死んだことも伝えた。

父に代わってのつぐない、そしてアメリカ合衆国への愛国心のため、アリシアはデブリンに協力することに決める。

そして二人は手がかりを追ってリオデジャネイロへ旅立つ。

リオのホテルのテラスに立った時、すでに二人は相思相愛の関係にあった。

だが二人に下された命令は、ナチの有力な支援者であるアレクサンダー・セバスチャン(クロード・レインズ)にアリシアがハニートラップを仕掛け、スパイの計画をつかめ、というものだった。

かつてセバスチャンはアリシアにぞっこん惚れていたことがあり、それを聞いたデブリンは嫉妬をおぼえるが、任務と半ばあきらめ、アリシアはデブリンがはっきりと反対しないことに失望し、任務を引き受けることにする・・・。

巨匠アルフレッド・ヒッチコックがアメリカとナチスのスパイ戦、大人の恋愛を華麗な演出で描く傑作サスペンス『汚名』

ケーリー・グラント、イングリッド・バーグマン主演。

巨匠アルフレッド・ヒッチコックが、アメリカとナチスのスパイ戦と、そのはざまで展開する大人の恋愛を華麗な演出で描く、傑作サスペンス。

ヒッチコックならではの小道具の使い方、ヒロインの心情にシンクロする独特のカメラワークなど、まことにもって「勉強になります!」

とくにスパイ戦が展開する中、主人公二人の大人の恋愛模様も同時に進行するプロットは見事である。

地下のワイン室で秘密を探るシーンは特にサスペンスで手に汗握り、アリシアとデブリンの愛にも転換点となる見せ場の一つ。

各シーンで臨場感と細やかな描写をみせるヒッチコックの手腕は、現代でもまったく見劣りすることはない。

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