映画評『007/ムーンレイカー』今回はボンドが宇宙で大活躍!SF色の強い異色作!

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『007/ムーンレイカー』
1979年イギリス・フランス・アメリカ
監督:ルイス・ギルバート
脚本:クリストファー・ウッド
原作:イアン・フレミング
音楽:ジョン・バリー
出演:ロジャー・ムーア
   ロイス・チャイルズ
   マイケル・ロンズデール
   リチャード・キール

『007/ムーンレイカー』イントロダクション

イギリスの領空に入る航空機があった。

その航空機は背面にスペースシャトルを積んでいる。

シャトルの名前は「ムーンレイカー」、アメリカから空輸されている途中であった。

シャトルの内部、物陰から二人の男が急に現れると、シャトルの操縦席に座り発進準備を始めた。

空輸機側の乗組員はは固定装置が解除されたのにも驚く暇なく、シャトルは空輸機から離脱、その際のシャトルのロケットエンジンの炎は空輸機を焼き、破壊した。

空輸中の「ムーンレイカー」が消息を絶ったという知らせは直ちにイギリス諜報部のM(バーナード・リー)のもとにも入り、Mは007を招集する。

007・・・ジェームズ・ボンド(ロジャー・ムーア)は、スペースシャトルの製造元であるヒューゴ・ドラックス社のあるカリフォルニアへさっそく向かった。

ボンドはサー・ヒューゴ・ドラックス(マイケル・ロンズデール)の書斎で、とある設計図を見つける。

それにはベニスのガラス工房で製造されている商品の情報が含まれていた。

今度はベニスに向かうボンドだったが、ガラス工房の建物の中に、謎の研究所を発見する。

そこでは即効性の殺人ガスが研究開発されていた。

イギリス諜報部の兵器開発部のQ(デズモンド・リュウェリン)によると、そのガスの成分はアマゾンにしか存在しない植物のものであるとわかる。

ボンドがアマゾンに向かったところ、研究員に成りすまして潜入していたCIA捜査官ホリー・グッドヘッド(ロイス・チャイルズ)とともにドラックスの恐るべき計画を知ることになる。

それは、全人類を毒ガスで抹殺し、ドラッグスが極秘に宇宙に建造していた宇宙ステーションに、選ばれた男女だけで新世界を築こうというものだった。

ドラッグスの野望を阻止するため、ボンドとホリーはドラッグスの宇宙ステーションに潜り込む・・・。

今回はボンドが宇宙で大活躍!SF色の強い異色作!『007/ムーンレイカー』

公開当時の映画界は、『スターウォーズ』(1977年)の世界的大ヒットでSF作品が大氾濫した年代でもあった。

そこに、ついに007も乗っかって宇宙に進出した。

イアン・フレミングの原作は1955年でまだ人類は宇宙に足を踏み入れていない時代だったので、「ムーンレイカー」は大陸間弾道ミサイル開発計画の名称として用いられた。

それが映画では時代に合わせ、「ムーンレイカー」はスペースシャトルの名称となり、ボンドも宇宙で活躍することになる。

ちなみに実際のスペースシャトルの初飛行は1981年4月12日である。

宇宙での活躍は映画の後半の展開ではあるが、敵ボスのドラッグスの宇宙ステーションのやスペースシャトルの特撮などはなかなかどうして、本格SF映画のそれに勝るとも劣らぬ出来。

特撮を担当したのが『サンダーバード』や『謎の円盤UFO』などを手掛けたデレク・メディングスだと聞けば、それも納得である。

またこの『ムーンレイカー』には、前作『私を愛したスパイ』に引き続き巨漢の俳優リチャード・キールが殺し屋ジョーズを演じる。

このジョーズは今作ではクライマックスでほほえましい展開を見せることもあり、人気のキャラクターとなっている。

またジョーズはボンドに斃されなかった(し、そういう展開にもならなかった。スタッフからも愛されていたのだろう)。

007の厳格な上司M役のバーナード・リーであるが、この作品のあと死去した。

そのためこの作品がバーナード・リー最後のボンド映画となった。

映画としては、展開は急だし宇宙に行くしで007シリーズのなかでは破天荒な作品ではあるが、時代の元気を反映しているというか、活気に満ちた作品となっている。

『ムーンレイカー』が好き、という007ファンも多いのもうなずける。

こちらの作品もどうぞ!
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