映画評『マイノリティ・リポート』完璧なはずの犯罪予知システムに殺人犯と予知された刑事。トム・クルーズ×スピルバーグ監督が戦慄の未来を描く驚異のアクション超大作!

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『マイノリティ・リポート』
2002年アメリカ
原題:Minority Report
監督:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:ジョン・コーエン
   スコット・フランク
原作:フィリップ・K・ディック
   旧題『少数報告』
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:トム・クルーズ
   コリン・ファレル
   サマンサ・モートン
   マックス・フォン・シドー
   ロイス・スミス
   ピーター・ストーメア
   ティム・ブレイク・ネルソン
   スティーヴ・ハリス
   キャスリン・モリス
   ダニエル・ロンドン
   ニール・マクドノー
   パトリック・キルパトリック


   

『マイノリティ・リポート』イントロダクション

西暦2048年。

アメリカの殺人犯罪の件数は、まさに天文学的な数字に上っていた。

これに頭を悩ませた政府は、ある試みを首都ワシントンD.C.で開始させる。

それは、プリコグと呼ばれる予知能力者3人で構築された殺人予告システムの導入だった。

この3人のプリコグ・・・双子の男性アーサーとダシール、女性のアガサ(サマンサ・モートン)は常時巨大なプールに浸けられ、普段は3人とも眠っており、食事などのあらゆる世話を他人が行っている。

3人の脳内映像はリンクされており、予知が起きると現場の映像がデータとしてアウトプット、同時に衝動犯罪なのか、計画殺人なのかの判定がなされる。

このプリコグの予知に従って、予防的治安維持機能を遂行する犯罪予防局が編成、事前に殺人事件を抑止するのだ。

また同時に、アメリカ全土で網膜走査(スキャン)で個人情報や行動がすべて把握されるようになっていた。

システムの導入以後、西暦2054年、ワシントンD.C.の殺人発生率は、なんと0%に抑えられていた。

しかしこのシステムは、矛盾も抱えていた。

予知して殺人を防いだその犯人は、実際には殺人を犯していない。

その犯人・・・犯人と呼ぶのならば・・・を裁くことができるのか、否か。

法的には未来殺人罪という罪が適用され、罪人は睡眠状態にされるのだった。

さて犯罪予防局の刑事ジョン・アンダートン(トム・クルーズ)は、6年前に息子のショーンが誘拐・殺害されたのをきっかけに、妻とも離縁、犯罪予防に心血を注ぐようになっていた。

ある日、システムの全国規模での導入に対する国民投票が行われることになり、司法省調査官のダニー・ウィットワー(コリン・ファレル)が犯罪予防局を訪れ、システムの完全性の調査が始まった。

そのさなか、プリコグのひとりアガサが突然ジョンに過去の事件の映像をみせてきた。

ジョンがその事件について調べていると、過去のアガサの予知記録映像の一部が何者かに削除されていることがわかる。

ジョンは局長のラマー・バージェス(マックス・フォン・シド―)に報告するが、局長は結論を出さなかった。

後日、新たに殺人事件が予知されるが、そこには見ず知らずの他人であるリオ・クロウなる男を殺すジョンの姿が映し出されていた。

何者かの罠だと感じたジョンは、やむなく逃亡を開始する・・・。


完璧なはずの犯罪予知システムに殺人犯と予知された刑事。トム・クルーズ×スピルバーグ監督が戦慄の未来を描く驚異のアクション超大作!『マイノリティ・リポート』

ハリウッドを代表する二人、トム・クルーズとスティーヴン・スピルバーグ監督が初めてコンビを組んだこの作品、そのうえ、原作が『ブレードランナー』のフィリップ・K・ディックの小説とあれば、おのずと期待値も上がる。

映画の舞台は、2054年のワシントンD.C.。

殺人事件を未然に予知できる犯罪予防局に勤める刑事、その彼自身が容疑者として追われる、近未来ハードボイルドなストーリー。

特筆すべきは、『スターウォーズ』などのVFXで名を挙げたILMが作り上げた2054年の未来世界。

そこに、一見モノクロのように見える特殊な映像技法処理を行い、往年のフィルム・ノワール感を醸し出している。

とは言え、逃亡シーンやアクションには、どこかコミカルな動きが入っている。

映画は娯楽であることを忘れないスピルバーグ監督のニクイ演出と言えるだろう。


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