映画評『ミッドナイト・イン・パリ』1920年代のパリにタイムスリップした作家志望の男と偉大な芸術家たちの遭遇をウディ・アレンがユーモラスに描く

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『ミッドナイト・イン・パリ』
2011年アメリカ・スペイン
監督:ウディ・アレン
脚本:ウディ・アレン
出演:オーウェン・ウィルソン
   レイチェル・マクアダムス
   マイケル・シーン
   マリオン・コティヤール
   キャシー・ベイツ
   エイドリアン・ブロディ
   カーラ・ブルーニ
   

『ミッドナイト・イン・パリ』イントロダクション

2010年、ギル・ペンダー(オーウェン・ウィルソン)は、婚約者のイネス(レイチェル・マクアダムス)とその両親と共にパリを訪れていた。

レイチェルの両親が仕事取り引きがあり、パリに用事があっての便乗旅行だった。

ギルは映画脚本家として安定した仕事を得ていたが、小説家を目指し、処女小説の執筆に悪戦苦闘していた。

ギルはパリの街が気に入って住みたいとすら考えていたが、イネスはマリブに住むことを望んでいる。

二人はパリのレストランでイネスの友人ポール(マイケル・シーン)とその彼女と遭遇し、4人はパリの観光地を見て回る。

イネスはポールのインテリなところを気に入っていたが、ギルにしてみれば、ポールが講釈を垂れる歴史や芸術の薀蓄には間違いが多く、鼻持ちならない男だった。

ある夜、ワインの試飲会で酔っぱらったギルは、散歩して帰ると言い張ってパリの街で迷子になってしまう。

そして深夜の12時のチャイムが鳴り響いた時、彼の目の前にアンティーク・カーが停まり、1920年代風の格好をした男女がギルを誘った。

車に同乗して向かった先では、パーティーが開かれていた。

ギルはそこでコール・ポーター(イヴ・エック)、F・スコット・フィッツジェラルド(トム・ヒドルストン)とその妻ゼルダ(アリソン・ピル)を自称する人々と出会い、酔いがさめる。

彼らは歴史上の人物のはずだ。

名前が同じにしても偶然が過ぎる。

パーティーの主催者がジャン・コクトーだと聞いた時、ギルは、彼が黄金時代と憧憬する1920年代のパリにタイムスリップしたのだと気づく。

その後フィッツジェラルド夫妻、ポーター夫妻といったクラブには、ジョセフィン・ベイカー(ソニア・ロラン)と出会い、さらに次に飲みに入ったバーではアーネスト・ヘミングウェイ(コリー・ストール)がいた。

ヘミングウェイに自分の小説の批評を頼んだギルだったが、ヘミングウェイには断られ、代わりにガートルード・スタイン(キャシー・ベイツ)を紹介しようと言われ、夢見心地になる。

次の夜、イネスを誘ってあの時代のパリの街に行こうとするが、真夜中がくる前にイネスは疲れたと言って帰ってしまう。

真夜中の12時の鐘が鳴ると、ヘミングウェイが乗ったアンティーク・カーが現れ、彼と一緒にスタインの家に行く。

と、今度はそこにパブロ・ピカソ(マルシャル・ディ・フォンソ・ボー)とその愛人アドリアナ(マリオン・コティヤール)がいた。

まさに1920年代然とした美女のアドリアナに、ギルは一目惚れしてしまう・・・。

1920年代のパリにタイムスリップした作家志望の男と偉大な芸術家たちの遭遇をウディ・アレンがユーモラスに描く『ミッドナイト・イン・パリ』

作家、批評家、芸術家、絢爛の黄金時代である1920年代の花の都パリにタイムスリップしてしまった作家志望の男と、偉大な芸術家たちの遭遇を、鬼才ウディ・アレン監督・脚本で描いたロマンティック・コメディ。

婚約者と訪れたパリで、主人公ギルは夜の12時になると、数々の著名なあこがれの文豪たちが活躍した1920年代のパリにタイムスリップする。

この出来事は一夜では終わらず、ギルは何度も彼ら歴史上の文化人と交流し、はては婚約者のいる身ながら、ピカソの愛人アドリアナと恋に落ちたりもする。

そのアドリアナと今度は1890年代のベルエポック期へとタイムスリップし、この時代の芸術家たちと出会う。

さまざまな時代の過去のパリを、それぞれの時代の人間が「あの時代は良かった」とあこがれるのだとギルは気づき、元の世界に帰ることにする。

パリという街を、現代の風景と栄光の時代を掛け合わせ立体的に描き出しながら、そこを舞台に主人公を含めさまざまな人生を舞わせる、ウディ・アレンの手腕が光る良作。

アカデミー賞脚本賞を受賞。

次々に画面に現れる過去の文化人たちを当てっこするのも面白い。

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