映画評『殺人の追憶』韓国で1980年代後半から6年間に10人の犠牲者を出しながらも迷宮入りしてしまった実在の未解決連続殺人事件をもとに映画化したサスペンスドラマ!

カチンコ 映画評
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『殺人の追憶』
2003年韓国
英題:MEMORIES OF MURDER
監督:ポン・ジュノ
脚本:ポン・ジュノ
   シム・ソンボ
音楽:岩代太郎
出演:ソン・ガンホ
   キム・サンギョン
   キム・レハ
   ソン・ジェホ
   ピョン・ヒボン
   パク・ノシク
   パク・ヘイル
   チョン・ミソン
   リュ・テホ


『殺人の追憶』イントロダクション

1986年10月、韓国のとある農村地帯の用水路から、両手を拘束された女性の死体が発見された。

地元警察の刑事パク・トゥマン(ソン・ガンホ)とチョ・ヨング(キム・レハ)、ク・ヒボン課長(ピョン・ヒボン)が捜査に当たるも、全く進展しないまま、2か月後、つぎの事件が起きる。

線路脇の稲田で見つかった女性の名はビョンスン(リュ・テホ)、二人目の犠牲者だ。

殺された二人はどちらも赤い衣服を身につけており、被害者自身の下着で縛られたうえに、絞殺されていた。

パク刑事は急いでこの二件目の殺人現場に駆けつけるが、現場はすでに野次馬や農作業の村民たちによって荒らされてしまい、残された犯人のものと思われる足跡も、耕運機でかき消されてしまった。

パク刑事は、恋人のソリョン(チョン・ミソン)から、焼肉屋の息子クァンホ(パク・シノク)がビョンスンに付きまとっていたという情報を得、彼を取り調べるも、知的障害を持つクァンホの話は要領を得ない。

そこにソウル市警の若手刑事ソ・テユン(キム・サンギョン)が赴任してくる。

クァンホを犯人と決め付けていたパク刑事とチョ刑事は、自分たちで用意したスニーカーを使って足跡を犯人のものである、と証拠をねつ造し、拷問にかけてクァンホに自供を迫っていた。

すると、クァンホはビョンスン殺害の方法をリアルに話し始める。

この供述からクァンホが犯人だと思われたが、現場検証の場でクァンホは「自分は殺していない」と抵抗し、現場は混乱に陥る。

またソ刑事は、遺体にきつく幾重にも結ばれた下着の状況から、手に麻痺があるクァンホには犯行は不可能であるとした。

同時期に警察の拷問による自白強要が問題化しており、ク課長は解任され、新しくシン課長(ソン・ジェホ)が赴任、ソ刑事の主張を指示し、クァンホの逮捕状は取り下げられ、釈放となった・・・。


韓国で1980年代後半から6年間に10人の犠牲者を出しながらも迷宮入りしてしまった実在の未解決連続殺人事件をもとに映画化したサスペンスドラマ!『殺人の追憶』

『パラサイト 半地下の家族』(2019年)によりアカデミー賞を受賞したポン・ジュノ監督が、『フランダースの犬(邦題『吠える犬は噛まない』)』(2000年)、に続いて長編2作目として2003年に監督したのがこの作品。

韓国内では大ヒットとなり、韓国の重要な映画賞である大鐘賞で監督賞・作品賞を受賞した。

主人公のパク刑事を演じるのはソン・ガンホ。

韓国を代表する俳優で、前述の『パラサイト 半地下の家族』を筆頭にポン・ジュノ監督作品への出演も多い。

物語は、1980年代の後半、韓国の田舎町で女性が次々に殺される事件が発生、地元警察のパク刑事とソウル市警のソ刑事が捜査を進めるが、犯人は警察をあざ笑うかのように犯行を重ねていく。

映画は、実際にあった未解決連続殺人事件をもとにしたサスペンスドラマで、2019年に長らく未解決のままだった事件の真犯人が判明したことでも話題になった。


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