映画評『マラヴィータ』ロバート・デ・ニーロ演じる元大物マフィアとその一家を監督リュック・ベッソンで描くクライム・コメディー

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『マラヴィータ』
2013年アメリカ・フランス
監督:リュック・ベッソン
脚本:リュック・ベッソン
   マイケル・カレオ
音楽:エフゲニー・ガルペリン
   サーシャ・ガルペリン
出演:ロバート・デ・ニーロ
   ミシェル・ファイファー
   トミー・リー・ジョーンズ
   ディアナ・アグレン
   ジョン・デレオ

『マラヴィータ』イントロダクション

フレッド・ブレイク、本名ジョヴァンニ。マンゾーニ(ロバート・デニーロ)は元大物マフィアだったが、組織を裏切り、FBIの証人保護プログラムのもと、身分を偽りながら家族そろって世界を転々としていた。

今回ブレイク一家はフランスのノルマンディーの田舎町に移り住むことに。

夜中に隠れるように(じっさい目立たないようにしているのだが)新居にただりつくブレイク一家。

彼らは一見普通のアメリカ人のように見えるが、FBIで彼らの担当官であるロバート・スタンスフィールド(トミー・リー・ジョーンズ)は、目立たず地域のコミュニティーに溶け込むように、とフレッドに念を押す。

フレッドら一家は行く先々でいつもトラブルを起こしてしまい、その土地に居れなくなってしまうのだ。

フレッドは家から出られない手慰みに、埃をかぶったタイプライターを引っ張り出し、自叙伝を書くことを始めた。

近所に連中には、身分は作家と偽ることにする。

妻のマギー(ミシェル・ファイファー)は買い物に近所のスーパーに行くが、店員に嫌味を言われ、そのスーパーを爆破してしまう。

フレッドの娘ベルは登校初日に同級生の男子にナンパされるが、イヤらしいその男子にキレて、テニスラケットがへし折れるほどその男子をタコ殴りにする。

息子のウォレンは初日は不良グループに生意気な口をきいて袋叩きの目にあうが、あっという間に学校内の生徒たちの性格とパワーバランスを把握、内部に食い込み、不良グループを返り討ちにする。

そんなフレッドたちだったが、コミュニティに馴染むためのホームパーティを開いてご近所づきあいをはじめ、マギーは教会に通い神父と交流、ベルは学校の教育実習生と初めての恋に落ちていた。

ところがウォレンが事件のきっかけを作ってしまう。

チビだったころ、まだフレッドが裏切る前に、マフィアのボスのドン・ルケージ(スタン・カープ)が言っていたジョークを思い出し、それが学校新聞に載ってしまった。

学校新聞は思わぬ経緯をたどり、裏切り者フレッドを探していたドン・ルケージのもとにたどり着く。

居場所を突き止めたドン・ルケージは、フレッド一家抹殺のため殺し屋をノルマンディーに差し向けた・・・!

ロバート・デ・ニーロ演じる元大物マフィアとその一家を監督リュック・ベッソンで描くクライム・コメディー『マラヴィータ』

原作はフランスの作家トニーノ・ブナキスタの小説『隣のマフィア』。

これをリュック・ベッソンが監督・脚本でペーソスあふれるクライム・コメディー映画に仕上げた。

製作総指揮にあのマーティン・スコセッシの名がある。

『マラヴィータ』劇中で、町の映画の上映会のシーンがあり、そこで上映されるのがスコセッシの『グッドフェローズ』(1990年)で、デ・ニーロ演じる主人公がイタリアン・マフィアについてリアリティあふれる講釈を垂れ、拍手喝さいを受けるという、スコセッシ・ファンなら笑ってしまうシーケンスがある。

リュック・ベッソン監督のギャングものだが、スコセッシの作風へのオマージュがそこかしこに感じられる。

スコセッシ作品の常連キャスト、ロバート・デ・ニーロもそうだが、社会不適合者の主人公や、ナレーションが主人公の独白形式であること、バイオレンスな描写などなど。

ちなみにタイトルにもなっている「マラヴィータ」とは、主人公一家が飼っている犬の名前。

普段は目立たないが、ここ一番というときに活躍を見せる。

全体的にリズムも良く、落語にも似たコメディ具合は見ていて気持ちが良い。

何回観ても胃もたれしない軽さがある。

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