映画評『ライフ』閉鎖空間で起こる生き残りをかけた戦い!無重力空間のカメラワークが秀逸なSFホラー

未来世界 未来都市 宇宙船 映画評
スポンサードリンク

『ライフ』
2017年アメリカ
原題:Life
監督:ダニエル・エスピノーサ
脚本:レット・リース
   ポール・ワーニック
音楽:ヨン・エクストランド
出演:ジェイク・ジレンホール
   レベッカ・ファーガソン
   ライアン・レイノルズ
   真田広之
   アリヨン・バカレ
   オルガ・ディホヴィチヤナ

『ライフ』イントロダクション

火星からの無人探査機ピルグリムが帰還中、デブリに衝突、回収ミッションは困難となった。

だが、国際宇宙ステーション(ISS)登場のクルー6名は、この困難を乗り越え、猛スピードで突進してくるピルグリムの回収に成功した。

探査機ピルグリムには火星から採取した土壌サンプルが無事、収容されていた。

この土を調査したところ、なんと生きた微生物が休眠状態で含まれていることが判明する。

世紀の大発見に喜びに沸くのはISSのクルー6人だけではなかった。

地球外生命体発見のニュースは、地球上でも報道され、一躍注目される。

数々の応募された名称のなかから、とある小学校の校名を取って、微生物は「カルビン」と名付けられることになった。

ISSのラボでは、カルビンの調査が開始される。

担当するのは宇宙生物学者のヒュー・デリー(アリヨン・バカレ)。

極低温環境下では何の動きも示さなかったカルビンだったが、室温を上昇させ、大気成分を地球のそれに近づけると、カルビンは動きを見せ始めた。

養分を与えると少しずつ大きくなり、花のようにシャーレから触手を伸ばすようになった。

最初は実験用グローブ越しにヒューの人差指に触れるカルビンで、ヒューも、モニター越しに様子を見守る残りのクルーも、カルビンに愛らしさを感じ始めた頃だった。

カルビンが急にヒューの手にしがみついた。

それも想像を絶する強烈な力で。

ヒューは指の骨を次々に折られる。

カルビンはヒューが手を抜いた実験用グローブをラボ内の注射器の切っ先で破ると、そこからラボを脱走、実験用マウスを捕食すると、さらにその大きさを増した。

そして恐るべきスピードで宙を移動し、通気口からISS内を動き回りひとり、またひとりとクルーは犠牲になっていくのだった・・・。

閉鎖空間で起こる生き残りをかけた戦い!無重力空間のカメラワークが秀逸なSFホラー『ライフ』

火星から回収された土から発見された謎の生物が、宇宙飛行士たちと、国際宇宙ステーションという閉鎖空間の中で互いの生き残りをかけて戦う(・・・といっても宇宙飛行士たちは防戦一方だが)SFホラー作品である。

映画『エイリアン』の孫のようなストーリーはこれといって新鮮味はないのだが、ISSという舞台がナイス・チョイスで、人がひとりやっと通れるような狭い通路、モジュールをいくつも連結することにより生まれた迷路のような構造は、こういった閉鎖空間ホラーを盛り上げるには効果的だ。

しかも外は宇宙である。

逃げ場がない。

いっぽうの謎の生命体カルビンは、アメーバのように自在に体の形を変え、およそ何らかの意思を持っているかのようにクルーの命を狙い始める(本編ではカルビンなりの生存本能として扱われる)。

登場人物も6人精鋭で、演技の質も高い。

ここに日本人役者の真田広之がいるのも、同輩としてうれしいところだ。

前述の舞台となる国際宇宙ステーションだが、現実の我々も時折テレビ中継などで確認することができるが、ステーション内で活動するクルーは常に無重力状態で浮遊している。

映画でも当然、これが表現されているのであるが、その再現度合いが素晴らしい。

CGももちろん使われているのであろうけれども、宙を浮かびながら狭い通路を移動し、それをカメラが回り込むように撮影しているのを観ると、「これってどうやって撮ったのかなあ」と不思議に思う。

そして映画のエンディングもショッキングなものとなっており、高得点、というわけにはいかないが、60点くらいには楽しめる作品だ。

こちらの作品もどうぞ!
≫映画評『アビス 完全版』深海を舞台に未知の生命体との驚異の遭遇を壮大なスケールで描く海洋SFファンタジー

コメント

タイトルとURLをコピーしました