映画評『007 消されたライセンス』4代目ボンド、ティモシー・ダルトンの2作目にして最終作であるシリーズ第16作!

ピストル 向けられた銃口 映画評
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『007 消されたライセンス』
1989年イギリス・アメリカ
原題:Licence to Kill
監督:ジョン・グレン
脚本:マイケル・G・ウィルソン
   リチャード・メイボーム
音楽:マイケル・ケイメン
出演:ティモシー・ダルトン
   キャリー・ローウェル
   ロバート・デヴィ
   タリサ・ソト

『007 消されたライセンス』イントロダクション

ジェームズ・ボンド(ティモシー・ダルトン)とその親友、CIAのフェリックス・ライター(デヴィッド・ヘディソン)は豪奢に飾られた白いリムジンで移動していた。

フェリックス・ライターの結婚式のために会場に向かっていたのだ。

そこにヘリコプターが飛んできて、車を止める。

麻薬王のサンチェス(ロバート・デヴィ)がアメリカ領内に姿を現したというのだ。

サンチェスは麻薬取締局が長年追い続けている犯罪者だった。

ボンドとフェリックスは結婚式もそっちのけでヘリに乗り込み、現場に向かう。

駆けつけた現場で銃撃戦の末、サンチェスはセスナで逃亡を図るが、ヘリで追いついたボンドは空中でワイヤーを結び、セスナを宙づりにする。

そしてボンドとフェリックスはスカイダイビングで、花嫁デラ(プリシラ・バーンズ)が待つ式場に降下、皆は祝福に沸く。

だがしかし、サンチェスは捜査官のキリファー(エヴェレット・マッギル)を買収し、護送車から逃走する。

サンチェスは復讐に新婚初夜のライター夫妻を襲撃し、デラを殺したうえ、フェリックスを拉致、サメに足を食いちぎらせてしまう。

帰国しようと空港で搭乗手続きをしていたボンドは、サンチェスの脱走を知り、いぞぎフェリックスの住居に向かうが、そこで発見したのはベッドの上に寝かされたデラの死体だった。

そしてソファに横たわる無残なフェリックス。

荒らされたフェリックスの書斎からは、サンチェスの関連書類が消えていた。

ボンドは復讐心に燃え、捜査を開始。

キリファーから情報を引き出したボンドは、彼をサメの餌にして復讐の第一段階を遂げる。

しかし通常の任務の域を逸脱した行為に、M(ロバート・ブラウン)はこの件から離れて別の任務を指示する。

フェリックスへの友情からくる復讐心と、母国・女王陛下への忠誠心との間で苦悩するボンドだったが、その場で辞意を示し、逃亡した・・・。

4代目ボンド、ティモシー・ダルトンの2作目にして最終作であるシリーズ第16作!『007 消されたライセンス』

『007 消されたライセンス』は、4代目ボンドであるティモシー・ダルトンの2作目にして最終作であるが、それ以外にもシリーズにとって大きな節目となる作品である。

まず、5作連続で監督をつとめたジョン・グレンが、シリーズから離れた。

そして第1作から脚本を手掛けてきたリチャード・メイボームが1991年1月4日他界、007のオープニングといえばこれ、と言われるガンバレル・シークエンスを手掛けてきたモーリス・ビンダーも同じく1991年4月9日に没する。

次回作の『007 ゴールデンアイ』(1995年)からは、ボンドもピアース・ブロスナンに交代、Mも女性のジュディ・デンチが務めるようになる。

1989年のベルリンの壁崩壊、1991年のソ連崩壊という現実世界の情勢もあり、冷戦構造を背景としたストーリーも今作が最後となった。

ボンドの所属組織も、これまでは「ユニバーサル貿易」とされてきたが、次作からはいよいよ「MI6本部」と実在の部署の名前が登場する。

後世からみると、今作のジェームズ・ボンドの活躍が、国際的な陰謀との戦いではなく、友人の復讐劇という私的なものになったのは面白い運命の小細工だ。

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