『ラバランチュラ 巨大グモだよ全員出動!』
2015年アメリカ
監督:マイク・メンデス
脚本:アシュリー・オニール
マイク・メンデス
ニール・エルマン
音楽:クリス・ライデンハウア
出演:スティーヴ・グッテンバーグ
ニア・ピープルズ
パトリック・レナ
マイケル・ウィンスロー
マリオン・ラムジー
レスリー・イースターブルック
『ラバランチュラ 巨大グモだよ全員出動!』イントロダクション
今から20年前、主演映画が大ヒットし一躍スターとなったコルトン(スティーヴ・グッテンバーグ)だったが、今ではその栄光も過去のもの、何とかB級映画にコネとお情けで出演させてもらう有り様だった。
だが、かつての栄光が忘れられないコルトンは、その日撮影中のスタッフと衝突し、撮影現場を飛び出してしまう。
家に帰るためロサンゼルスのハイウェイを車で走るコルトンだったが、突然大きな地震が発生。
続いてコルトンの目の前でサンタモニカ山地の火山が噴火を始めた。
次々に噴出する火山弾はハイウェイに立ち止まった自動車に次々に命中、人々はパニックに陥る。
しかもこの火山弾は、ただの火山弾ではなかった。
なかから2m近い巨大グモが這い出てきたのだ。
次々に現れる巨大グモは、なんと火を吐き、人々を襲いだした。
市民を避難させようとするコルトンだったが、彼の姿を見た人々はこの状況を映画の撮影か何かかと勘違いしてしまう。
コルトンは家族を心配し、家に帰ろうとするが、焼けたアスファルトのために乗っていた自動車のタイヤはパンクしてしまう。
そこに現れる観光バスを止めて、街まで乗せて行ってもらうように頼もうとするが、やはり有名人のコルトンに興奮するばかりで、てんで話を聞いてもらえなかったコルトン。
強引に運転手からバスを奪い何とか街にたどり着いたコルトンは、家にたどり着くが、妻のオリビア(ニア・ピープルズ)は巨大グモの話を与太話として信じない。
息子のワイアット(ノア・ハント)とは野球を見に行く約束をしていたのに、時間を守らなかったために、ワイアットは怒って一人で遊びに行ってしまった。
必死のコルトンはショットガンを取り出しワイアットを探しに出るが、すでにワイアットは巨大グモに襲われようとしていた・・・。
燃える巨大グモ襲来!LA大パニック!かつてのムービースターは世界を救えるのか?『ラバランチュラ 巨大グモだよ全員出動!』
かつて人気シリーズだった『ポリスアカデミー』出演のスティーヴ・グッテンバーグ、マイケル・ウィンスロー、マリオン・ラムジーらが再集結したパニックドラマで、なかなかのB級作品である。
主人公コルトンの設定が、20年前の人気俳優で今は落ちぶれているというところは、スティーヴ・グッテンバーグにとってはちょっとした皮肉・ブラックジョークだ。
『ポリスアカデミー』と言われてピンとくるのは今の40代以上の映画ファンだけではなかろうか。
1984年から1994年まで、シリーズで7作も撮られた大人気作だったのだが。
さてそのスティーヴ・グッテンバーグがヒーローとしてカムバックするのがこの『ラバランチュラ 巨大グモだよ全員出動!』なのだが、巨大なサメやワニはよくアメリカB級映画で登場・意外と人気がでてシリーズ化されているが、今回の巨大グモはどうもうまくいかなかったようで、シリーズ化はされていない。
作品としてけっして悪いわけではないのだが、2015年作にしてはちょっと見劣りするCG、作中のどうもかみ合わない巨大グモの被害状況の描写など、「あれ、これ予算の関係かな~?」と勘繰る残念ポイントはいくつか見受けられる。
主人公の息子ワイアットは友人数人と連れ立って遊んでいるところを巨大グモに襲われるのだが、ガールフレンドが巨大グモに噛まれ負傷する。
けっこうな時間逃げ回るのだが、このガールフレンド、結局は体からクモを吐き出して焼死してしまう。
このへんも、「ここは助かるところなんじゃないかなあ」と、予想を覆される。
楽しい予想の裏切りは映画として有りなのだが、かけた時間と展開からして、こういった裏切りはえてして作品の評価を下げる。
・・・まあ、B級に分類された時点で、この展開はB級として有りといえば有りなんだけれども。
主人公が最後に超巨大グモを斃すシーケンスも、本来なら感動とカタルシスをもって迎えられるといいのだが、B級なのでシリアスのなかにもコミカルさを忘れてくれてない。
欧米ではこういった、家族や友達とワイワイ酒を飲みながら、ツッコミを入れつつ鑑賞する類の映画作品の需要がある。
それがいわゆるB級映画に分類されたりするわけで、そういう意味ではこの作品は成功している。B級として。
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