映画評『グラディエーター』歴史映画ブームを巻き起こしたリドリー・スコット監督の超大作!

ローマのコロッセウム 映画評
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『グラディエーター』
2000年アメリカ
原題:Gladiator
監督:リドリー・スコット
脚本:デヴィッド・フランゾーニ
   ジョン・ローガン
   ウィリアム・ニコルソン
音楽:ハンス・ジマー
   クラウス・バデルト
   リサ・ジェラルド
出演:ラッセル・クロウ
   ホアキン・フェニックス
   コニー・ニールセン
   オリヴァー・リード
   デレク・ジャコビ
   ジャイモン・フンスー
   リチャード・ハリス

『グラディエーター』イントロダクション

最盛期のローマ帝国はアフリカの砂漠からイングランドの北部まで広大な領土を誇った。

世界の人々のうち4人に1人がローマ皇帝のもとで生涯を送った。

西暦180年の冬。

マルクス・アウレリウス帝の12年間のゲルマニア戦役が集結に近づいていた。

ローマの勝利と平和を手にするため、今、最後の戦いが行われようとしていた。

平民出身の将軍マキシマス・デシマス・メリディアス(ラッセル・クロウ)はその蛮族との戦いのなか、自ら騎兵部隊を率いて敵を背後から強襲、敵将を打ち取り、味方の歓声を浴びる。

勝利に沸くローマ軍の陣営の中にあり、老いた皇帝アウレリウス(リチャード・ハリス)はひとり、思い悩んでいたことがあった。

帝位の継承問題についてであった。

アウレリウス帝には息子コモドゥス(ホアキン・フェニックス)がいたが、貴族としての政治策謀に没頭し、人としての求心力に欠けるコモドゥスを、アウレリウス帝は次の皇帝にはふさわしくないと考えていた。

かわりにアウレリウス帝は、人望厚く勇敢で無欲なマキシマスに帝位を譲ろうとする。

だが、マキシマスはそれを断り、故郷に帰ることを望んだ。

自分に皇位を譲る気がない父に愛憎の涙を流したコモドゥスは、アウレリウス帝を暗殺する。

自ら帝位継承を宣言するコモドゥスは、今度はマキシマスの存在が邪魔となる。

マキシマスが挙兵し反旗を翻せば、厄介なことになるのがわかっていたコモドゥスは、親衛隊を使ってマキシマスを謀殺しようとする。

だが、すんでのところでマキシマスは逃亡に成功、自らの故郷に逃げ戻る。

だがそこで見たものは、コモドゥスの命により焼かれ、絞首刑にされた妻と子の無残な姿だった。

マキシマスはコモドゥスへの復讐を誓うも、奴隷商人につかまり、剣闘士として売られてしまう・・・。

歴史映画ブームを巻き起こしたリドリー・スコット監督の超大作!『グラディエーター』

『グラディエーター』は『エイリアン』や『ブレードランナー』の監督としても名高い、独自の映像美で知られるリドリー・スコットがメガホンを取った歴史超大作映画だ。

ローマ帝国時代、かつては将軍だったが罠にはまり、復讐を胸に剣闘士となったマキシマスをダイナミックに描き、アカデミー賞作品賞など5部門を受賞した。

本作冒頭のローマ軍と蛮族との戦闘シーンはその迫力と完成度の高さから名場面との評価も高い。

興行収入も上々で、『グラディエーター』公開後、いわゆる古代ローマ・ブームとも呼べるものが起き、歴史映画のブームがやってくる。

『トロイ』(2004年)、『アレクサンダー』(2004年)、『キングアーサー』(2004年)などと立て続けに歴史大作が世に送り出された。

歴史考証的には、老帝マルクス・アウレリウスが息子コモドゥスに殺されたという史実はないのだが、映画的には、アンソニー・マン監督の『ローマ帝国の滅亡』(1964年)がほぼ同じストーリーで、これの影響下にあるのではないかと考えられる。

またローマ皇帝となったコモドゥスが剣闘士と戦うというのもあり得ない話で、あまつさえ負けて死んでしまうということは史実にはなかった。

とはいえ、フィクションとして楽しむには十分な完成度である。

細密に作り上げられた舞台セットや美術、武具など迫力とリアリティに満ちている。

もしこの作品から古代ローマ史に興味が沸いたならば、勉強してみるとさらにこの作品を楽しめるだろう。

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