『ガンジー』
1982年イギリス・インド・アメリカ
原題:Gandhi
監督:リチャード・アッテンボロー
脚本:ジョン・ブライリー
音楽:ラヴィ・シャンカール
ジョージ・フェントン
出演:ベン・キングスレー
ロヒニ・ハタンガディ
ロシャン・セス
サイード・ジャフリー
アリク・パダムゼ
キャンディス・バーゲン
エドワード・フォックス
ジョン・ギールグッド
トレヴァー・ハワード
ジョン・ミルズ
マーティン・シーン
イアン・チャールソン
リチャード・グリフィス
ダニエル・デイ=ルイス
『ガンジー』イントロダクション
1948年、ついに独立を勝ち取ったインドの夕暮れ時。
礼拝に大勢が集う渦中にガンジー(ベン・キングスレー)の姿があった。
そのガンジーに、ゆっくりと、慎重に近づく男がいた。
男はおもむろにガンジーの前に立ちはだかると、彼の足に口づけ、立ち上がると同時に、隠し持っていたピストルで3発、立て続けにガンジーを撃った。
「神よ・・・」
息を抜くようにそう言いながら、ガンジーは白い衣服を血で染め、倒れ息を引き取った。
時をさかのぼること1893年、イギリス領南アフリカ。
列車に揺られる青年弁護士ガンジーは一等列車に席を取っていたが、有色人種であることを理由に、白人の車掌から「三等車に席を変えなければ、次の駅で叩き降ろす」と指示される。
ガンジーは、正式の手続きで一等車両の席を取ったことを主張し、三等車への移動を拒否したため、文字通り次の駅で列車から叩きだされた。
おなじイギリス連邦の一員でありながら、あまりにも不条理な差別を行う南アフリカの白人政府に憤ったガンジーは、有力者のカーンたちと協力し、街頭で抗議活動を行うことにする。
当時、有色人種が所持を義務づけられていた身分証を抗議声明と共に焼却したのだ。
この行動をやめさせようとした白人警官にカーンは連行され、ガンジーも警棒で激しく打ち付けられる。
ガンジーも逮捕されたが、このとき無抵抗だったガンジーに対して警官が暴力をふるったことで、抗議の声が上がり、ガンジーは釈放される。
その後ガンジーは人種・宗教・階級の垣根を越えた共同農園を作り、イギリスの人種差別政策に対抗を始める。
新聞などでその活動が徐々に広まり、ガンジーのもとには牧師のアンドリュー(イアン・チャールソン)や記者のウォーカー(マーティン・シーン)などが集まり、運動は拡大、ガンジーは南アフリカ政府が新たに制定した人種政策にも拒否の姿勢を示し、抗議デモを実施するが、そのことで再び逮捕されてしまう・・・。
インド独立の父マハトマ・ガンジーの波乱の生涯を壮大なスケールで描き、アカデミー賞8部門を受賞した名作!『ガンジー』
ガンジーと言われてその名を知らないものはいないのではないかと思われる、近現代史のなかでも有名人のひとりだ。
非暴力、不服従を貫き通し、ついにはイギリス領であったインドの独立を勝ち取り、「インド独立の父」とたたえられる人物である。
そのガンジーの青年期からの波乱に満ちた半生を、リチャード・アッテンボロー監督が壮大なスケールで描いたのが本作だ。
歴史の教科書に載るような表面的なガンジーの姿だけでなく、当時の南アメリカ、インドのありようも克明に再現し、人種差別だけでなく、イスラム、キリスト教、ヒンドゥー教など様々な宗教が混然となった状況から、いかにガンジーが苦労を重ねたかも、丹念に描かれている。
また主演のガンジーを務めたベン・キングスレーが、仕草だけでなく風ぼうも実際のガンジーに似せて役作りをしていることにも驚く。
まるで教科書で見たガンジーがそのまま抜け出してきたようだ。
あまりにも似ていたため、撮影時、現地では「ガンジーが生き返った」と参拝に訪れる人々が後を絶たなかったという。
詳細に再現された舞台装置や、インド近現代史で必ず出てくるガンジー以外の有名人(ネルーやジンナーなど)もバッチリ登場し、ガンジーと派閥を争うので、歴史の勉強の副読本としてもおススメの歴史映画でもある。
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