映画評『007/ユア・アイズ・オンリー』必見のスキーアクションほか見どころ満載のシリーズ12作!

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『007/ユア・アイズ・オンリー』
1981年イギリス・アメリカ
原題:For Your Eyes Only
監督:ジョン・グレン
脚本:リチャード・メイボーム
   マイケル・G・ウィルソン
原作:イアン・フレミング
音楽:ビル・コンティ
出演:ロジャー・ムーア
   キャロル・ブーケ
   ジュリアン・グローヴァ―

『007/ユア・アイズ・オンリー』イントロダクション

007ことジェームズ・ボンド(ロジャー・ムーア)はとある墓地を訪れていた。

彼が花を手向けた墓碑には、こう刻まれている。

“トレーシー・ボンド
 1943-1969
 ジェームズボンドの妻”

緊急の呼び出しを神父から告げられたボンドは、「いつものことさ」と迎えに来たヘリコプターに乗り込む。

だがそのヘリは宿敵ブロフェルドの仕掛けた罠だった。

ヘリが工場地帯にさしかかった時、ブロフェルドが遠隔操作機のスイッチを押すと、ヘリの操縦士に電撃が走り、操縦士は死亡してしまう。

ヘリのコントロールはブロフェルドの手に落ちてしまい、工場の上空でヘリはボンドの不安をあおろうと、めちゃくちゃな飛行をする。

後部座席のボンドは暴れるヘリからいったん身を乗り出し、操縦席に取りついた。

ブロフェルドがヘリを工場のなかに突っ込ませるも、すんでのところでボンドはヘリのコントロールを奪い返し、逆転劇が始まった。

工場の屋上にいた車椅子のブロフェルドをヘリの足に引っ掛けると、そのまま吊り上げるボンド。

赦しを請うブロフェルドだったが、ボンドはそびえたつ煙突の中にブロフェルドを突き落したのだった。

・・・

地中海のアルバニア沖、漁船に偽装した英国のスパイ船「セント・ジョージ」が、何者かが仕掛けた機雷によって沈没してしまった。

この船にはイギリス軍のミサイルを自由に誘導できる装置ATACが搭載されており、それを知ったソ連の諜報部はさっそくギリシャの組織を通じてこのATACを入手すべく暗躍を始める。

同様に政府の意を受けて海を調査していたハブロック博士(ジャック・ヘドレイ)は、妻と娘のメリナ(キャロル・ブーケ)とクルーザー船に乗っているところを、何者かに飛行機で襲撃を受け、ハブロック博士は死亡してしまう。

遺されたメリナは復讐に燃える目で飛行機が消えていった水平線を見つめるのであった。

・・・

ボンドはイギリス防衛庁に出頭する。

休暇中のMに代わって長官から事件の真相を探るよう命じられたボンドは、命令書を受け取る。

その表紙には「For Your Eyes Only(読後焼却すべし)」の文字が・・・!

必見のスキーアクションほか見どころ満載のシリーズ12作!『007/ユア・アイズ・オンリー』

ロジャー・ムーア主演、アクションシーン満載、正統派007シリーズの第12作目。

前作の『ムーンレイカー』(1979年)が時代の流行を受けてSF色が濃かったが、今回はしっかり地に足つけたアクションとサスペンスが盛りだくさんだ。

ヘリコプターのスタントから、シトロエン2CVでのカーチェイス、人ごみのなかを抜けたりボブスレーのコースに乗っかったりのスキーチェイス、銃撃戦はもちろん、水中での格闘、ロッククライミングなど、後のハリウッド作品にも影響を与えたアクション・ムービーになっている。

その冒頭のヘリコプターのシーンだが、車いすに猫を愛でる、明らかにボンドの宿敵ブロフェルドと思われる男が出てくるのだが、名前はおろか顔も映らないまま、ボンドに退治されてしまう。

これは、犯罪組織スペクターとブロフェルドの著作権を映画制作陣が抑えきれなかったため、使用できなかったのだ。

以後2015年の『スペクター』まで、シリーズにはブロフェルド、もしくはそれと思しき人物は登場しない。

主題歌は当時まだ新人だったシーナ・イーストンが歌っており、英国の「ミュージック・ウィーク」誌では最高8位、米国の「ビルボード」誌では最高4位と大ヒットしている。

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