映画評『エスケープ・フロム・L.A.』カルト的人気を誇る鬼才ジョン・カーペンター監督が放つSFアクション

映画 映画評
スポンサードリンク

『エスケープ・フロム・L.A.』
1996年アメリカ
原題:Escape From L.A.
監督:ジョン・カーペンター
脚本:ジョン・カーペンター
   デブラ・ヒル
   カート・ラッセル
音楽:ジョン・カーペンター
   シャーリー・ウォーカー
出演:カート・ラッセル
   ステイシー・キーチ
   スティーヴ・ブシェミ
   ピーター・フォンダ
   ジョージ・コラフェイス
   クリフ・ロバートソン

『エスケープ・フロム・L.A.』イントロダクション

1998年・・・20世紀末、アメリカでは反政府勢力が台頭し、犯罪と不道徳でロサンゼルスは荒廃していた。

市民を守るため、国家警察が生まれることとなる。

当時の大統領候補は、ロスが巨大地震で壊滅すると予言。

「神の鉄拳である最終戦争(アルマゲドン)がロスを襲う。街は罪にまみれまるでゴモラとソドムだ。海が立ちはだかり罪深き街を我が国から切り離すだろう」

予言通りマグニチュード9.6の大地震が2000年午後0時59分に起きた。

大地震のあと憲法が改正され、新大統領の任期は終身となった。

首都はワシントンDCから大統領の故郷リンチバーグへ遷都。

そして島と化したロサンゼルスは新しい道徳国家アメリカに適さない人民が追放される場所となった。

ロスからの脱走者の侵入を防ぐため、警察が海岸線を常に監視。

オレンジ郡の南東からマリブ沿岸の北西までロスを隔絶させる壁が造られた。

新大統領は最高司令官として指令17を発令、いちど市民権を失ったものは、この島に永久追放というものであった。

そして現在・・・2013年。

金曜日の19時。

警察のニュースチャンネルが報じる。

大統領の令嬢がある機密装置を盗み、乗っ取った大統領機からポットで脱出し、ロサンゼルスで最大のテロ集団に投降したという。

令嬢は大統領の悪政を批判し、すぐさま辞めるように要求していた。

この事態に大統領は、長らく逃亡していたがついに逮捕され、その時追放センターに送られてきた史上最も悪名高き犯罪者で、元特殊部隊員のスネーク・プリスキン(カート・ラッセル)に目をつける。

スネークは16年前にも単身ニューヨークで大統領を救出した経歴を持っていた。

スネークの体に致死率100%のウイルスが注射される。

このウイルスは8時間8分26秒後にスネークの神経組織を破壊してしまう。

時間内に機密装置を持ちかえれば、解毒剤が投与される。

命のために後戻りできぬ状況の下、単身スネークはロサンゼルスに忍び込む・・・。

カルト的人気を誇る鬼才ジョン・カーペンター監督が放つSFアクション映画『エスケープ・フロム・L.A.』

『エスケープ・フロム・L.A.』の監督は鬼才としてカルト的人気を誇るジョン・カーペンターで、同じくカーペンターが監督をつとめた『ニューヨーク1997』(1981年)の続編でもある。

続編と言いつつも、閉ざされた環境下で、権力に無理やり任務を任され、潜入ミッションを行うという筋書きはほとんど同じであるから、焼き直しであるともいえる。

製作に主役を務めるカート・ラッセルと脚本のデブラ・ヒルの名前があるので、この二人が『ニューヨーク1997』を気に入っていて、リメイクを画策したのであろう。

この作品の主人公スネークは隻眼のアウトローで、元特殊部隊員の凄腕。

このキャラクターを非常に愛している日本人のゲーム監督がいる。

当時コナミの社員だった小島秀夫氏だ。

『ニューヨーク1997』が大好きな小島氏は、自身が監督が務めたゲーム『メタルギア』シリーズの主人公にこのスネークという名を借りた。

名前だけでなく、隻眼で、特殊部隊員で、潜入捜査のエキスパートという設定まで似ている。

いまやスネークというキャラクターといえば『メタルギア』を思い起こす人が多いだろうが、元ネタは『ニューヨーク1997』『エスケープ・フロム・L.A.』の主人公、カート・ラッセル演じるスネークである。

こちらの作品もどうぞ!
≫映画評『オデッサ・ファイル』元ナチス親衛隊たちが結成した秘密組織に迫るフリー・ジャーナリストを描く傑作サスペンス

コメント

タイトルとURLをコピーしました