映画評『アルカトラズからの脱出』クリント・イーストウッド×ドン・シーゲル監督、脱獄不可能と言われた刑務所に挑む傑作サスペンス!

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『アルカトラズからの脱出』
1979年アメリカ
原題:Escape From Alcatraz
監督:ドン・シーゲル
脚本:リチャード・タークル
原作:J・キャンベル・ブルース
音楽:ジェリー・フィールディング
出演:クリント・イーストウッド
   パトリック・マクグーハン
   ロバーツ・ブロッサム
   ジャック・チボー
   フレッド・ウォード
   ポール・ベンジャミン
   ブルース・M・フィッシャー
   フランク・ロンジオ
   フレッド・スタスマン

『アルカトラズからの脱出』イントロダクション

サンフランシスコ湾。

ここに浮かぶ島に、鉄壁を誇り脱出不可能と言われるアルカトラズ刑務所があった。

1960年1月18日、雨が降りしきる、まだ暗い闇夜のなか、一人の男がそのアルカトラズ刑務所に収監される。

男の名はフランク・モリス(クリント・イーストウッド)。

収監にあたり、フランクはすべての衣服を脱がされ、なにか道具類を隠し持ってないか綿密な検査を受ける。

そして全裸のままアルカトラズの廊下を歩かされると、独房の一つに放り込まれた。

翌朝。

刑務所の一日が始まる。

点呼が終わると、房の列ごとに行動、食堂に移動しての朝食となる。

囚人の制服を身にまとったモリスは、食事中にほかの囚人たちの様子を観察する。

正面に座った初老の男リトマス(フランク・ロンジオ)は隠れてネズミを飼っていた。

あるときモリスは所長(パトリック・マクグーハン)に呼び出され、アルカトラズ刑務所についての説明を受ける。

所長は何度もほかの刑務所を脱走した経歴を持つモリスを警戒していた。

決して脱走はさせないとモリスに宣言する所長。

そうこうして刑務所に馴染み始め、ほかの囚人たちとも人間関係のバランスが取れてきたある日、モリスは通気口から外へ出られるという話を聞く。

だが独房の通気口の穴は小さい。

モリスはこの通気口の穴を広げ、そこから独房を出て、刑務所から脱出することを思いつく。

おなじころ、刑務所内で知り合った囚人のドク(ロバーツ・ブロッサム)が、趣味としていた絵画を所長から禁止され他ことに絶望し、自らの指を斧で切断する騒動が起こる。

このことに憤りを感じたモリスは、いよいよ脱獄の準備に取り掛かる。

モリスは仲間になった囚人たちに協力を依頼し、脱獄に必要な道具を揃えはじめる・・・。

クリント・イーストウッド×ドン・シーゲル監督、脱獄不可能と言われた刑務所に挑む傑作サスペンス!『アルカトラズからの脱出』

主演クリント・イーストウッド、ドン・シーゲル監督の名コンビが、不可能と言われたアルカトラズ刑務所からの脱獄を果たしたしたフランク・モリスの実話をもとに、脱獄に挑んだ男たちの姿を描いた傑作サスペンス映画だ。

イーストウッドとドン・シーゲルのコンビは『マンハッタン無宿』(1968年)に始まり、『白い肌の異常な夜』(1971年)、『ダーティハリー』(1971年)と数々の傑作を生みだした。

ドン・シーゲルはスピーディなアクションもののイメージが強いが、本作のような静謐な中にも緊張感をみなぎらせる作品も得意としている。

『アルカトラズからの脱出』は数年ぶりのイーストウッドとのタッグであると同時に、最後の共作ともなった。

撮影では必ずしも足並みがそろっていたとは言えなかった二人だが、イーストウッドはドン・シーゲルの弟子筋にあたるのは映画ファンならご存知の通り。

シーゲルの死後イーストウッドが監督した『許されざる者』(1992年)はセルジオ・レオーネと共にシーゲルにも捧げられている。

アルカトラズ刑務所の脱獄事件は過去数度発生しており、その都度脱走者は捕まったり、射殺されたりしているが、本作で描かれたフランク・モリスとその仲間たちによる脱獄事件は話題となり、図らずもアルカトラズがもはや鉄壁の刑務所としての体をなしていないことが明らかとなった。

そして施設の老朽化や耐震性の問題もあり、アルカトラズ刑務所はフランク・モリスの脱獄事件から約1年数か月後、閉所となる。

今やアルカトラズ島は公園となり、人々の観光名所の一つだ。

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