映画評『ヒトラー ~最後の12日間~』独裁者ヒトラー最期の日々をドキュメンタリータッチで描き、その知られざる姿を浮き彫りにしていく歴史ドラマ。主演はスイスの名優ブルーノ・ガンツ。

カチンコ 映画評
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『ヒトラー ~最期の12日間~』
2004年ドイツ・オーストリア・イタリア
英題:Downfall
監督:オリヴァー・ヒルシュピーゲル
脚本:ベルント・アイヒンガー
原作:ヨアヒム・フェスト『ヒトラー 最期の12日間』
   トラウドゥル・ユンゲ
   メリッサ・ミラー『私はヒトラーの秘書だった』
音楽:ステファン・ツァハリアス
出演:ブルーノ・ガンツ
   アレクサンドラ・マリア・ララ
   ユリアーネ・ケーラー
   トーマス・クレッチマン
   ウルリッヒ・マテス
   コリンナ・ハルフォーフ
   ハイノ・フェルヒ
   クリスチャン・ベルケル
   ウルリッヒ・ネーテン
   クリスチャン・ヘーニング
   アンドレ・ヘンニッケ
   アレクサンダー・ヘルト
   トルステン・クローン
   マティアス・ハビッヒ
   イゴール・ロマノフ
   ゲッツ・オットー
   イゴール・ブベンチコフ
   マティアス・グネーディンガー
   ディートリヒ・ホリンダーボイマー
   ディーター・マン
   クリスチャン・レドル
   ロルフ・カニース
   ユストゥス・フォン・ドホナーニ
   ミヒャエル・メンドル
   ハンス・H・シュタインベルク
   トーマス・ティーメ
   ミヒャエル・ブランドナー
   ビルギット・ミニヒマイアー
   アレクサンドル・スラスチン

『ヒトラー ~最期の12日間~』イントロダクション

トラウドゥル・ユンゲ(旧姓フンプス・本人)の述懐

「今なら私も、若くて愚かだった当時の私に腹が立ちます。
 恐ろしい怪物の正体に、私は気づけませんでした。
 ただ夢中で何も考えず、秘書の依頼を受けました。
 熱烈なナチではなかったし、断ることもできたはずです。
 “私は総党本部へ参りません”と。
 でも好奇心に突き動かされ、愚かにも飛び込みました。
 思いもよらぬ運命が待っているとも知らずに・・・
 とはいえ、今も自分を許せずにいます。」

1942年の11月、東プロイセンのラステンブルクにある総統大本営ヴォルフスシャンツェ(狼の巣)。

ここにミュンヘン出身のトラウドゥル・フンプス(アレクサンドラ・マリア・ララ)ほか数名の女性が集められ、ドイツ国総統アドルフ・ヒトラー(ブルーノ・ガンツ)の秘書採用試験を受ける。

ヒトラーは、トラウドゥルがナチ党結成の地であるミュンヘンの出身であることを知り、彼女に興味を持ち、秘書として採用する。

1945年4月20日。

第二次世界大戦は終盤を迎えており、ナチス・ドイツは風前の灯火だった。

総統ヒトラーは、少数の側近、身内と共にベルリンの総統地下壕に避難していた。

この日はおりしもヒトラー56歳の誕生日である。

トラウドゥルはヒトラーの愛人エヴァ・ブラウン(ユリアーネ・ケーラー)や先輩秘書官のゲルダ・クリスティアン(ビルギット・ミニヒマイアー)ら地下壕の同僚と共に誕生会の準備を進めていた。

だが事態は深刻で、ソ連軍はすでにベルリン近郊に迫っており、ドイツ敗北は時間の問題と目されている。

各地からナチスの高官たちが集まり、誕生会が始まる。

国家元帥ゲーリング(マティアス・グネーディンガー)やSS長官ヒムラー(ウルリッヒ・ネーテン)などの最高幹部たちは口々にベルリン脱出をヒトラーに進言する。

だが、ヒトラーは頑なにこれを拒否した・・・。


独裁者ヒトラー最期の日々をドキュメンタリータッチで描き、その知られざる姿を浮き彫りにしていく歴史ドラマ。主演はスイスの名優ブルーノ・ガンツ。『ヒトラー 最期の12日間~』

1945年4月のベルリン市街戦を背景に、アドルフ・ヒトラーの総統地下壕における最期の日々をドキュメンタリー・タッチで描く。

ヒトラーやその愛人エヴァ・ブラウンのような近親者のみならず、混乱の中で国防軍の軍人やSSの隊員が迎える終末、ヨーゼフ・ゲッペルス一家の悲劇、戦渦に巻き込まれるベルリン市民の姿にも焦点があてられる。

監督のオリヴァー・ヒルシュピーゲルは2015年に『ヒトラー暗殺、13分の誤算』という作品も撮っている。

主演でヒトラーを演じるのは『アメリカの友人』(1977年)や『ブラジルから来た少年』(1978年)、『ベルリン・天使の詩』(1987年)のスイスの名優ブルーノ・ガンツ。

日本では公開後、ヒトラーが側近との会議中に激昂するシーンが動画投稿サイトにおいてパロディの題材として広く用いられる。(現在YouTubeでは著作権法違反としてこれらの動画をブロックしている)


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