映画評『ダイヤルMを廻せ!』浮気した妻を殺害しよとするものの思わぬ方向に進む犯罪計画を巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督がスリリングに描く傑作サスペンス!

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『ダイヤルMを廻せ!』
1954年アメリカ
原題:Dial M for Murder
監督:アルフレッド・ヒッチコック
脚本:フレデリック・ノット
原作:フレデリック・ノット
音楽:ディミトリ・ティオムキン
出演:レイ・ミランド
   グレース・ケリー
   ロバート・カミングス
   ジョン・ウィリアムズ
   アンソニー・ドーソン

『ダイヤルMを廻せ!』イントロダクション

プロテニスプレーヤーのトニー・ウェンディス(レイ・ミランド)は、資産家の妻マーゴ(グレース・ケリー)とロンドンのアパートに暮らしていた。

トニーとマーゴは一見仲の良い夫婦だったが、トニーがテニスの試合で家を空けがちで、じつは夫婦の仲は冷え込んでいた。

トニーの留守中、マーゴは推理作家マーク・ハリディ(ロバート・カミングス)との浮気に走り、いつしかトニーと離婚してマークと再婚しようかと考えていた。

トニーが選手を引退し、家にいるようになってからも夫婦仲は戻らなかった。

やがてトニーは、マーゴの浮気に気が付く。

そしてトニーはマーゴと離婚するよりも、マーゴを殺害し、資産を手に入れようと考え、完全犯罪を企てる。

ある晩、トニーは自宅でひとりになると、大学時代の同級生スワン(アンソニー・ドーソン)を電話で呼び寄せた。

スワンは学生時代から素行の悪さで有名な男だった。

トニーはスワンにマーゴとの仲を語ってきかせ、1000ポンドの報酬でマーゴ殺害を依頼する。

一時は渋るスワンだったが、トニーは事前にスワンのこれまでの悪行も調べ上げており、それらを並び立てて脅しも描けた。

そうしてやっと乗り気になったスワンに、トニーは自分が立てた計画を説明する。

それはこんな内容だった。

明日の晩、トニーがマークを連れてパーティに出かけ、マーゴを一人きりにする。

出かける際にマーゴのハンドバックから家の鍵を盗んで玄関前の階段に隠しておくので、スワンはそれを使って部屋に忍び込む。

寝室にいるマーゴに気が付かれないように、スワンは窓のカーテンの陰に隠れ、電話が鳴るのを待つ。

電話は午後11時にトニーが出先からかけるので、そのとき起きてきたマーゴを襲う。

その後、金目の物を適当に物色し、強盗に見せかけ、玄関から出ていく。

その際鍵は元の隠し場所に戻しておく。

警察には、強盗が入ったと見せかける、と。

スワンはそうして手順を確認すると、手付金の100ポンドを懐におさめた。

そして翌日の夜、計画通りスワンは部屋に侵入、カーテンの陰に隠れる。

電話が鳴り、対応するマーゴの背後からスワンは彼女の首にマフラーを巻きつけて締め上げようとする。

ところが、マーゴはもがきながら机の上のハサミをつかみ、それをスワンの背中に突き立てた。

それでスワンは倒れ、死んでしまう・・・。


浮気した妻を殺害しよとするものの思わぬ方向に進む犯罪計画を巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督がスリリングに描く傑作サスペンス!『ダイヤルMを廻せ!』

巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督がグレース・ケリーと初めて組んだ傑作サスペンス。

ロンドンのアパートで暮らすトニーとマーゴは、一見仲の良い夫婦だったが、その関係は冷え切っていた。

ある日、マーゴの浮気を知ったトニーは、妻を殺害する完全犯罪を企てるが、想定外の事態が発生、犯罪計画は思わぬ方向へ・・・。

ブロードウェイの舞台劇を映画化、アパートの一室という閉ざされた空間を生かしたヒッチコック監督の演出が冴える。

『ダイヤルMを廻せ!』は、ヒッチコックの最高傑作とまでは言えないが、それでも、上位には確実に名を出してくる傑作サスペンスである。

やや構成が複雑な感はあるが、効果的な演出はいまでも映像作家のお手本になるシーンがいくつもある。

ヒッチコック監督は、グレース・ケリーとは以降『裏窓』『成金泥棒』でも組んでいる。


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