『名探偵ピカチュウ』
2019年アメリカ・日本
監督:ロブ・レターマン
音楽:ヘンリー・ジャックマン
出演:ライアン・レイノルズ
ジャスティス・スミス
キャスリン・ニュートン
『名探偵ピカチュウ』イントロダクション
かつてポケモンが大好きだったティム(ジャスティス・スミス)は、父親ハリーがポケモンにかかわる事件から家に戻らなかったことから、ポケモンとハリーから距離を置くようになってしまっていた。
大人になったティムは、長いあいだ会っていなかったハリーが事故で亡くなったとの連絡を受け、人間とポケモンが共存する街ライムシティを訪れる。
ティムは探偵を営んでいたハリーの部屋で、一匹のピカチュウ(声:ライアン・レイノルズ)と出会った。
なぜかティムはそのピカチュウがしゃべる(しかも大人の男性の声で!)のがわかる。
だがその声はなぜだかティムにしか理解できない。
ピカチュウは自分が記憶喪失であること、自分がハリーのパートナーであったこと、自分が生きているのだからハリーも生きているに違いない、とティムに訴える。
ティムとピカチュウは、新米記者のルーシー(キャスリン・ニュートン)とその相棒コダックとともに、父ハリーが事故の前に追っていた謎の薬品“R”を巡る事件の捜査に乗り出す・・・。
3DCGでモフモフのピカチュウがおっさんの声でしゃべる!『名探偵ピカチュウ』
原作はニンテンドー3DS用のゲームソフト『名探偵ピカチュウ』。
ゲームの『名探偵ピカチュウ』でもピカチュウが渋い男性の声でしゃべる。
この渋い声に、困った時や悩んだ時に見せるしわくちゃにゆがんだピカチュウの表情も今作の実写映画『名探偵ピカチュウ』では話題になった。
ピカチュウの表情は、声優を務めたライアン・レイノルズみずからモーションキャプチャーで演じている。
このキモかわいいピカチュウのギャップは話題を呼んだ。
本作では冒頭から、カプセルに眠るミュウツーが目覚めるシーンで、『ミュウツーの逆襲』(1998年)を思い出させるのがポケモンファンには熱い。
ピカチュウやミュウツーに限らず、さまざまなおなじみのポケモンがこの映画には登場する。
その数、いわゆる第7世代までのうちから54種類。
映画の中で次々に登場しては、縦横無尽に動き回る。
そのどれもが、こだわりにこだわり作成された3DCGで、実写の世界に違和感なく描きこまれている。
実写の世界に登場することで、ゲームやアニメでは感じられなかったポケモンのサイズ感がリアルに伝わってくる。
ギャラドスってこんなにでかかったのか!
とか
ドダイトスでかすぎだろう!
とか、ゲームやテレビアニメの画面では測れなかったスケール感は、この映画を見なければわからない。
探偵ものであり、親子のドラマである『名探偵ピカチュウ』
ストーリーは主人公とピカチュウが事件を追っていく探偵ものなのだが、そこに親子のドラマがからんでいる。
主人公ティムは父親の足跡を追うことで、疎遠だった父との心の距離を次第に縮めていく。
また敵役であるハワード(ビル・ナイ)とロジャー(クリス・ギア)のクリフォード父子も、仲の良い親子を表面上演じているが、問題を抱えながらストーリーの中でその関係性を変えていく。
観終わった後、なんとなく「たまには実家にに連絡とってみようかな」とか「家事の手伝いしてみようかな」と思わせる。
家族の温かさがなんとなく恋しくなる映画だ。
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