『デジャヴ』
2006年アメリカ
原題:Deja Vu
監督:トニー・スコット
脚本:テリー・ロッシオ
ビル・マーシリイ
音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
出演:デンゼル・ワシントン
ヴァル・キルマー
ポーラ・パットン
ブルース・グリーンウッド
アダム・ゴールドバーグ
ジム・カヴィーゼル
『デジャヴ』イントロダクション
それは2006年、2月28日のマルディグラの日のことだった。
ニューオーリンズのミシシッピ川を渡るフェリーには、たくさんの乗客が軍人や民間人、多くの子供が乗っていた。
そのフェリーが爆発、乗客543名が犠牲となる。
アメリカ連邦捜査機関ATF(アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局)のダグ・カーリン(デンゼル・ワシントン)は、現場を捜索した結果、川岸に打ち上げられた破片が爆弾の起爆装置であることを突き止める。
FBIはこのフェリーの爆発事件がテロによるものと断定するが、事件の手がかりの多くは川底、解決には長い時間がかかるだろうと公表する。
同時にダグは、爆発現場の近くで発見された女性の死体の様子がおかしいことに気が付く。
死体が上がったのは爆破地点から上流であり、死亡推定時刻が爆発の2時間前だったのだ。
死んだ女性の名前はクレア(ポーラ・パットン)。
死体を鑑定すると、口元にはガムテープが貼られていた痕跡があり、クレアは何者かに殺されたことが分かった。
クレアの家を捜索するダグは、冷蔵庫にマグネットで「お前は彼女を救える」とメッセージが残されていることに気が付く。
また部屋のあちこちには血痕がのこされており、留守番電話にはいくつものメッセージが録音されていた。
そのうちの一件はなんとダグ自身からのメッセージだった。
ダグはFBI捜査官のマクレディ(ブルース・グリーンウッド)にクレアの死の真相が、今度のフェリー爆破事件の解決の糸口になるという推理をつたえた。
その時ダグは、捜査本部のガレージに相棒のラリー(マット・クレイヴン)の車があることに気が付く。
そこに並べられた自動車は、事故の犠牲者のもので、つまりラリーも爆発事故の犠牲者のひとりだったのだ。
FBIのプライズワーラ捜査官(ヴァル・キルマー)は、ダグの有能さに目をとめ、新しい捜査チームへの参加を求める。
それは、「スノーホワイト」というハイテクシステムによる捜査チームだった。
「スノーホワイト」は人工衛星や街中の監視カメラによる情報を統合し作られたデジタル再現映像によって、4日と6時間前を観察できるシステムだった。
チームはダグの提案により、クレアの動向を監視するが、ダグは次第に、このシステムが単純に過去の再生ではなく、過去の時空に干渉していると気が付くのだった・・・。
フェリー爆破事件の捜査官が極秘のシステムを使って自らにかかわる事件の謎を追う傑作アクション『デジャヴ』
ニューオーリンズで、多くの犠牲者が出るフェリーの爆破事件が発生。
捜査を担当するダグは、爆破の1時間前に現場近くで発見された女性の遺体が、事件のカギを握ると直感、政府が開発した、過去にさかのぼって現場を見ることができる極秘の監視システムを使い、生前の行動を追跡するが・・・。
主演デンゼル・ワシントン。
先の読めない展開の物語、名匠トニー・スコット監督ならではのスタイリッシュな演出がさえるアクション・サスペンス大作。
予備知識なしで観ていると、「過去の履歴を追うことで犯人を追いつめるサスペンスものかな」と思うのだが、政府が極秘に開発した「スノーホワイト」が登場するあたりから「これは実はSFものでは?」と気づき始める。
その実、この映画はタイムマシンSFものに分類されるが、よくできた構成で、ラストの30分から40分の畳みかける展開とオチは、それまでじっくりはられた伏線を見事に回収しまくる。
あまりSFチックではないので、そこに抵抗感がなければおススメだ。
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