映画評『夜の訪問者』フランスを舞台に、暗い過去から逃れられない男の戦いを「007」シリーズの監督テレンス・ヤングが描くサスペンス・アクション!

映画 映画評
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『夜の訪問者』
1970年イタリア・フランス
原題:De la part des copains
英題:Cold Sweat
監督:テレンス・ヤング
脚本:ドロシア・ベネット
   ジョー・アイシンガー
   シモン・ウィンセルベルグ
   アルベール・シモナン
原作:リチャード・マシスン『夜の訪問者』(Ride the Nightmare)
音楽:ミシェル・マーニュ
出演:チャールズ・ブロンソン
   リヴ・ウルマン
   ジェームズ・メイソン
   ジル・アイアランド
   ジャン・トパール
   ルイジ・ピスディッリ
   ミシェル・コンスタンタン
   ヤニック・ド・リュール

『夜の訪問者』イントロダクション

夕刻の港に船が着く。

貸し船業を営むジョー・マーティン(チャールズ・ブロンソン)はその船を操舵する男に、操船を手とり足とりレクチャーしていた。

岸に着くと、ジョーは船を降り、ひと時仲間たちと博打に興じる。

いつもジョーのひとり勝ちだった。

夜も遅くに、家に帰ると、妻のファビエンヌ(リヴ・ウルマン)はまだ起きており、テレビで西部劇を見ていた。

二人の夫婦仲は悪くはなかったが、四六時中家を空けているジョーに、ファビエンヌは不満を抱かないでもない。

今日も無言電話があった、と、不安をジョーに打ち明けるファビエンヌ。

ちょうどそこに電話のベルがけたたましく鳴る。

ジョーが電話に出ると、果たして無言電話だった。

「俺はジョー・マーティンだ!」

電話を切るジョー。

だが、キッチンから窓のガラスが割られる音がした。

用心のためにファビエンヌに二階に上がるよう指示するジョー。

そしてジョー自身は、忍び足でキッチンに向かう。

激しい物音にファビエンヌが一回に戻ると、果たしてキッチンではジョーが倒れており、見知らぬ男が銃を片手にテーブルに腰かけていた。

男は、自分はジョーの知り合いだという。

間もなく目を覚ましたジョーは、隙を見て男の手から銃を叩き落とし、格闘の末、男を絞殺する。

ファビエンヌはジョーに詰め寄り、いったいどういうわけかと説明を強く求めた。

ジョーは苦々しくも、重い口を開く。

それは、ファビエンヌにも秘密にしていた、ジョーの過去だった・・・。

フランスを舞台に、暗い過去から逃れられない男の戦いを「007」シリーズの監督テレンス・ヤングが描くサスペンス・アクション!『夜の訪問者』

チャールズ・ブロンソン主演。

監督は『007/ドクター・ノオ』(1962年)、『007/ロシアより愛をこめて』(1963年)、『007/サンダーボール作戦』などで知られるテレンス・ヤング。

脱獄囚であり、その際仲間を裏切った暗い過去を持つ男が、その元仲間たちから狙われ家族の命まで危険にさらしてしまうサスペンス・アクション。

ブロンソンの渋い演技が光るが、それ以外は見るべきところは少ない。

たぶん脚本がたるいからだろう。

敵の男のひとりカタンガ(ジャン・トパール)はすぐ銃をぶっぱなしたがる凶暴な男としてキャラが立っているが、その他の敵のリーダー、ロス(ジェームズ・メイソン)もいまいちクセがなかったり、残りの男たちもすぐ退場してしまい、ストーリーがなかなか加速しないのがもどかしい。

やはり魅力的なキャラクターたちによって転がるストーリーという構図が、面白い映画の条件だ。

シーケンスとしてはなかなか迫力のある車の暴走シーンがあるのだが、これも尺としてはちょっと長く、だんだん飽きてくる。

あくびが出る前に切り上げていかないと、せっかくの面白さも半減だ。

オチもフレンチなんだか物足りない蛇足的なもので、90分頑張って観たご褒美としては冴えない。

ブロンソンが出ている。

それだけかなあ。

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