映画評『バトルシップ』ボードゲームが元ネタの、日本には熱心なファンの多い艦船SFバトル映画!浅野忠信も出演!

戦艦ミズーリ 映画評
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『バトルシップ』
2012年アメリカ
原題:Battleship
監督:ピーター・バーグ
脚本:ジョン・ホーバー
   エリック・ホーバー
音楽:スティーブ・ジャブロンスキー
出演:テイラー・キッチュ
   浅野忠信
   ブルックリン・デッカー
   リアーナ
   アレクサンダー・スカルスガルド
   リーアム・ニーソン

『バトルシップ』イントロダクション

アレックス・ホッパー(テイラー・キッチュ)は、本来非常に教養に富み、優れた知性を持つ男だったが、それ以上に粗野で破天荒な行動が目立ち、トラブルメーカーだった。

ある夜、アレックスは居酒屋に入り、そこにいたサマンサ(ブルックリン・デッカー)に一目ぼれする。

チキンブリトーが食べたいというサマンサに応えるためアレックスは、居酒屋の正面にあるすでにその日は閉店した食料雑貨店に忍び込み、チキンブリトーを手に入れようとするが、当然アレックスは通報されてしまう。

そのトラブルに堪忍袋の緒を切らせたアレックスの兄、ストーン(アレクサンダー・スカルスガルド)は、無職のアレックスを自身同様海軍に入隊させる。

ストーンはアメリカ海軍の中佐でありミサイル駆逐艦サンプソンの艦長でもあり、周囲からの期待も篤いエリート軍人であった。

入隊したアレックスは相変わらずトラブル・メーカーだったが、ストーンが火消しに回り、弟を導こうと面倒を見ていた。

2012年になり、世界14か国の海軍将兵2万人が参集する環太平洋合同演習(RIMPAC/リムパック)が開催されようとしていた。

アレックスはミサイル巡洋艦ジョン・ポール・ジョーンズに乗艦する大尉となっていた。

そしてあのサマンサと恋人同士になっていたのだが、サマンサはなんと海軍大将のシェーン提督の娘でもあった。

アレックスはシェーン提督にサマンサとの結婚を認めてもらいたかったが、言い出せずにいた。

それどころかアレックスは、演習に参加していた日本の海上自衛隊のナガタ一等海佐(浅野忠信)とケンカ沙汰を起こしたことから、シェーンの怒りを買い、結婚を認められるどころか演習後の懲戒免職処分を言い渡されてしまう。

リムパックが開催と時を同じくして、宇宙から正体不明の5つの物体が太平洋に落下してきた。

ひとつは衛星軌道上の人工衛星と衝突し、分解して中国・香港へ落下、大惨事を引き起こす。

残りの4つはハワイ近海に降下、その正体を探るべく、リムパック艦隊はストーンを指揮官とする分遣隊を派遣する。

この分遣隊はストーンの駆逐艦サンプソン、ナガタのこんごう型護衛艦みょうこう、そしてアレックスの乗艦するジョン・ポール・ジョーンズの3隻で編成された。

現場の水域に到着し、アレックスらが海上に浮遊していた巨大な物体を探索していると、突然、謎の物体から巨大なエネルギーフィールドが展開され、ハワイ諸島全域を覆い尽くしてしまう。

分遣隊の三隻はリムパック艦隊から隔離されてしまった。

さらに海中から異星人の大型起動兵器が3体出現し、分遣隊と交戦状態となる。

圧倒的な異星人の火力のまえに、サンプソンは撃沈、ストーンは戦死。

ナガタのみょうこうも撃沈されてしまった。

ジョン・ポール・ジョーンズも被弾、艦長以下上級士官は多数戦死し、艦内生存者中最先任のアレックスに艦の指揮が任された・・・。

ボードゲームが元ネタの、日本には熱心なファンの多い艦船SFバトル映画!浅野忠信も出演!

『バトルシップ』は、宇宙人のメカとアメリカの艦艇との派手なバトルアクションが売りのSF映画だが、元ネタは同名のアナログボードゲームだ。

ゲーム『バトルシップ』は所定のマスに自分の艦船を配置し、相手には見えないようにする。

同様に配置された対戦相手のそれを、交互に感と記憶で攻撃しあう、なかなか知的なゲームである。

この海戦ゲームの要素はしっかり映画『バトルシップ』でも取り入れられている。

レーダーが使えず異星人の機動兵器が襲ってくるのを、海上に張り巡らされた津波対策用ブイが発信する海面の高低差を探知する仕組みを利用して、見えない敵を討つのである。

ここが海戦ゲームを知っている、おそらく40歳代後半の世代の視聴者がニヤリとするシーンだが、海戦ゲームを知らなくてもこの映画は楽しめるのでご心配なく。

とは言え、ご都合主義的に無職から海軍の大尉に上り詰める主人公や、クライマックスでの戦艦ミズーリの発進が、賛否両論であることも事実である。

そこがいいのに。

2億5千万ドルという巨額の予算、実際のミズーリを使った撮影(作中のミズーリの航行シーンはCGではなく本物である)など、話題性はあったがアメリカでの興行収入は6千500万ドルと完璧に失敗。

日本では浅野忠信の出演のおかげでもあったか、そこそこヒットしている。

毎年最低映画に贈られるゴールデンラズベリー賞においては、最低作品賞、最低監督賞、最低脚本賞、最低助演男優賞(リーアム・ニーソンはとんだとばっちりである)、最低助演女優賞(リアーナ、ブルックリン・デッカー)、最低スクリーンアンサンブル賞の6部門にノミネート。

その中で最低助演女優賞(リアーナ)を受賞してしまう。

だが日本では熱烈なファンが多い。

「バトルシッパー」と呼ばれる彼・彼女らは、『バトルシップ』がテレビ放映されるたびにTwitterなどSNSで盛り上がるのである。

あなたも、テレビ放映の予定を見たらチキンブリトー片手に鑑賞の体制を整えてほしい。

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